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「家を24時間で創る」を実現 – セレンディクス・パートナーズ

セレンディクスは、3Dプリンターを用いて 10平米の建造物を製作した。製作に要した時間は 23時間12分であり、当初目的としていた「家を24時間で創る」を達成した。引き続き、住宅の大型化や低価格化に取り組んでいく。

セレンディクスの3Dプリンター住宅のプロジェクトは、ShareLabNEWSで取材した記事を公開している。そのプロジェクトの続報が届いたのでご紹介する。

3Dプリンターで24時間以内に家を作る『住宅の再発明』-セレンディクス・パートナーズ

セレンディクスの目指す、未来の住宅事情

セレンディクスは、3Dプリンターを使った住宅建設に取り組むスタートアップ企業だ。過去、ShareLabNews のインタビューに対して、同社COO の飯田大氏は以下のように語った。

「日本の住宅事情は遅れている。30年ローンで買った家を、3カ月以上の時間をかけて建てることは今の時代にそぐわない。」

セレンディクスは、「ライフスタイルの変化に合わせて住宅の在り方も変化すべきだ」と指摘する。こうした理念のもと、「Sphere」というプロジェクトを立ち上げた。

これは、100平米300万円という驚異的な安さの未来の住宅を作るため、オープンイノベーションで多くの企業と協力していくプロジェクトだ。ここまで低価格な住宅の建築は、従来工法では決して為しえない。当然、3Dプリンターの活用を前提としている。

Sphereに携わる企業は国内外で合計80社を超えた。その中には、NASAの火星移住プロジェクトのデザインに携わる企業も含まれる。

Sphereは、第一段階の目標として「家を24時間で創る」を掲げていたが、この度その目標を達成した。

高度技術が必要な球型3Dプリンター住宅、各基準もクリア

サイズは小さめだが、今回はのポイントは造形が難しかった球型造形を24時間以内で建てたことにある(出典:セレンディクス)
サイズは小さめだが、今回はのポイントは造形が難しかった球型造形を24時間以内で建てたことにある(出典:セレンディクス)

2022年3月、愛知県小牧市の百年住宅(小牧工場)にて、3Dプリンター住宅の建設が実施。躯体の出力、組み立て、防水処理や開口部等の住宅施工を全て合わせて、要した時間は 23時間12分となり24時間以内に建築するという目標を達成。

今回建設した3Dプリンター住宅は特徴的な球形の外観を持つ。これが、「Sphereプロジェクト」の名前の由来だ。

 3Dプリンター住宅の外観(出典:セレンディクス)
3Dプリンター住宅の外観(出典:セレンディクス)

丸みを帯びた住宅の建設は3Dプリンターの得意とするところであるが、球形の家の出力には高度な技術が必要となる。球形住宅を設計できたことは、オープンイノベーションによる技術の集合があったからこそだ。

構造躯体はリブ補強された2重構造によって設計することで、欧州の厳しい断熱基準をクリアした。また、日本の高い耐震基準をもクリアしている。

建築の様子。内部が二週構造になっているのがわかる(出典:セレンディクス)
建築の様子。内部が二週構造になっているのがわかる(出典:セレンディクス)

3Dプリンター住宅の今後の展望

今回の住宅施工において、躯体の出力と組み立てに要した時間は1/3 程度に過ぎない。大部分(2/3程度)は、外装塗装等の仕上げ工程であった。今後は、これら仕上げ工程についてもロボットによる自動化を検討している。これは、コスト低減だけでなく、必要な人的労力の低減にもつながる。国内建築業界における人手不足解消も、3Dプリンター住宅の目的の1つだ。

また、今回建築した住宅は床面積が10平米で、国内の建築基準法に抵触しないサイズであった。しかし、これ以上大きな住宅を建築する際には国内の基準をクリアしなければならない。

Sphereプロジェクトの次なる目標は、30平米の住宅を建築し、法的な問題もクリアすることだ。早ければ年内にもこの目標の達成を目指す。

2025年には大阪万博があり、共創チャレンジへの申請も行った。そこでは 3Dプリンターを使った住宅を大々的にアピールしていく狙いだ。

3Dプリンターによって、住宅に関するパラダイムは変化の時期を迎えた。未来の住宅は、より柔軟で流動性の高いものになっていることだろう。 低価格で、環境負荷が少なく、迅速に建築できる住宅の実現は着実に近づいている。

週末別荘のイメージ画像(出典:セレンディクス)
週末別荘のイメージ画像(出典:セレンディクス)

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国内外の3DプリンターおよびAM(アディティブマニュファクチャリング)に関するニュースや最新事例などの情報発信を行っている日本最大級のバーティカルメディアの編集部。

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