4階から落下しあごを骨折した猫、3Dプリント技術を活用して手術
イギリスのイーストロンドンにあるアパートの4階から落下し、顎を複雑骨折した黒猫のアトラスが、3Dプリント技術を用いて顎を再建する手術を受けた。手術は成功し、経過は順調とのこと。(上部画像は手術に使われた黒猫の顎の3Dレプリカ/出典:VetPartners)
3Dプリント技術を活用して3D骨モデルを作製
アパートの4階から落下し、顎を複雑骨折した黒猫のアトラスの形成手術のために、獣医たちは3Dプリンターを採用した。一般的な猫の顎の形を3Dスキャンしたデータをもとに、3Dプリンターで骨の模型を作り、それを参考にアトラスの骨を正しい位置に固定した。その後、金属プレートとネジを使って修復が行われたという。
手術を行ったWanstead動物病院では、四肢の変形を矯正する手術などに3Dプリントで作製したガイドを定期的に使用しているものの、骨折患畜のためにモデルを作成したのは今回が初めてだったとのこと。
Wanstead動物病院の獣医であるJohn Gardner氏によれば、3Dプリンターで作製した骨模型のおかげで、アトラスの歯と顎を正しく整列させることができ、快適で普通に食事ができる関節を確実に再建できたという。3Dプリントガイドを使うことで手術時間も通常3時間かかるところ、2時間に短縮できたようだ。
手術が成功した後、アトラスは4日間入院し、専任チームによって24時間体制でケアされた。術後のレントゲン写真では、顎を完璧な位置に固定できたことが確認でき、今は自宅に戻ってよく食べ、体重も増えているとし、順調な経過となっている。
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