赤ちゃんの頭のゆがみを矯正するヘルメット「ベビーバンド」が、愛知・岐阜・長崎の医療機関に初導入
株式会社Berry(医療機器の製造販売を行う日本のベンチャー企業)が開発した頭蓋形状矯正ヘルメット「ベビーバンド」が、愛知県・岐阜県・長崎県の医療機関に初めて導入された。2022年7月の提供開始から、30を超える医療機関にベビーバンドを提供している。
頭蓋形状矯正ヘルメットとは
頭蓋形状矯正ヘルメットは、赤ちゃんの頭のゆがみを矯正するヘルメットだ。医療機関にて、頭蓋骨縫合早期癒合症などの病的な頭のゆがみがなく、ゆがみの程度が中等度以上と診断された方を治療の対象としている。
治療の条件を満たした赤ちゃんには、一人ひとりの頭の形に合わせたオーダーメイドのヘルメットがつくられる。治療を開始するタイミングは生後2~6ヶ月が基準で、ヘルメットは1日23時間・6ヶ月前後にわたって装着してもらう。
ヘルメット治療は頭に圧力をかけて形を整えるものではない。治療方法としては、頭の平らになっている部分に空間をつくり、赤ちゃんの頭蓋成長に合わせて頭蓋の形をヘルメットの形状に誘導するものである。
ベビーバンドの特徴
ベビーバンドは、株式会社Berryが開発・製造する「日本製の頭蓋骨矯正ヘルメット」だ。ベビーバンドには大きく3つの特徴がある。
1つ目が、赤ちゃん一人ひとりの頭に合わせて「完全オーダーメイド」の設計・製造を行っていることである。高精度の3Dスキャンで、一人ひとりが安全に装着できるヘルメットを設計している。
2つ目は、赤ちゃんの肌への刺激を軽減する仕様になっていることである。ヘルメットのクッションには複数の機能を持たせており、赤ちゃんの頭に直接触れる部分には、化学繊維ではなく天然繊維を使用。やわらかい肌触りで、赤ちゃんの頭をやさしく包み込んでいる。
また、たくさんの汗をかく赤ちゃんのために、ヘルメットの通気性を高めているのも特徴である。頭の形に合わせてクッションやヘルメットシェルに小さな通気孔を配置。さらに、クッションの一部に吸水・速乾性の高い素材を使用し、1日23時間ヘルメットを装着しても快適な状態を維持できるようにしている。クッションとヘルメットシェルは取り外しができ、水性洗剤または中性洗剤で丸洗いができる。
3つ目が、豊富なデザインのヘルメットを取りそろえていることだ。「医療機器に見えない医療機器」を目指し、装着して出かけたくなるかわいらしいヘルメットをデザインしている。
株式会社Berryについて
株式会社Berryは、医療機器の製造販売やソフトウェアの開発を行う日本のベンチャー企業だ。「あらゆる人が必要な時に必要な医療が受けられる社会の実現」を目指し、3Dプリント技術と3Dデータ解析技術で医療業界の発展に貢献する。
同社が開発したベビーバンドは、赤ちゃんとご家族はもちろん、治療を行う医師にも配慮して設計開発されている。ヘルメット治療経験のある新生児科・小児科・脳神経外科の医師からアドバイスをもらい、治療を受ける側と提供する側の双方の負担を軽減するヘルメットを開発。2022年4月には、厚生労働省より薬事承認を取得した。
ベビーバンドは2023年5月時点で30を超える医療機関に提供されており、赤ちゃんの頭のゆがみに関する関心は高まっている。しかし、全国的に見ると専門の医療機関はまだまだ少ない。株式会社Berryは、住む場所を問わず赤ちゃんの頭の形に不安を抱える方々に最適な治療を届けられる社会の実現を目指して、さらなる製品・サービス開発を進めていくとしている。
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