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国内初の3Dプリント鹿頭で伝統工芸に革新を!株式会社小彌太の挑戦

株式会社小彌太のウェブサイト。

天明元年(1781年)の創業の歴史を持つ京都の染め屋が、国内初となる3Dプリント技術を用いた「鹿頭」の制作に挑戦した。日本一郷土芸能団体数の多い岩手県、かの宮沢賢治も記した童話「鹿踊りのはじまり」。鹿踊りの街・花巻から郷土芸能の未来を担うための事業を始動する。(上部画像は株式会社小彌太のウェブサイト。出典:株式会社小彌太)

郷土芸能の継承と発展を目指す取り組み

2024年9月2日、岩手県花巻市に本社を構える株式会社小彌太(読み:こやた、代表取締役 小瀬川弘樹、以下「小彌太」)は、新たに郷土芸能事業「雷太」をリリースした。この「雷太」事業を通じて、小彌太は郷土芸能の継承活動を支援し、そのさらなる発展を目指して郷土芸能団体のサポートに取り組んでいく。

郷土芸能事業「雷太」

小彌太は、これまでの染色事業において、祭りや神社の幕物や郷土芸能の衣装製造を手掛けてきた。その中で、顧客からの要望や課題を受け、3Dスキャナーと3Dプリンターを導入し、作り手の不足が指摘されている鹿頭の製造に取り組むこととなった。この取り組みは、鹿踊りだけでなく、鬼剣舞や神楽、虎舞など、さまざまな郷土芸能の道具や衣装の製造にも貢献できるものと考えている。また、地域に根ざした企業として、郷土芸能の魅力を発信し、担い手不足に悩む郷土芸能団体との橋渡し役を担うことができると確信している。岩手・花巻の地から、染め屋の魂と地域文化を未来へ紡ぐ事業として、この「雷太」に全力で取り組んでいくという。

なお、製品の販売価格は各団体の仕様やサイズによって異なるため、詳細は問い合わせ願たい。

営業部長・小瀬川雄太 氏のコメント

私はこれまで、郷土芸能とは無縁でした。鹿踊りも鬼剣舞も神楽も30歳になるまで見た事がありませんでした。花巻まつりや北上芸能まつりなどもほとんど行かず、思い出があるのは小学校の頃、花巻まつりで子供神輿を担いだのが最後ぐらいです。中学高校は部活と勉強に追われ、大学と就職は県外で、結局関わりが無いままここまで来ました。

しかし家業に戻ってきて、いきなり郷土芸能衣装を作る側になりました。何も分からない自分が感じたのは、衣装の鮮やかさとカッコ良さ、模様の多種多様さ、そして何より団体の多さです。こんなに多くの人が郷土芸能に携わっているんだ、こんなに多くの種類があるんだ、と知りました。

一方、団体の方とお話しする中で、色々なお困りごとを聞きました。作り手が減っている、継承する人がいない、お金が足りない等々。コロナ禍により活動休止となってしまった団体もあると聞きます。岩手が誇る豊かな郷土芸能を絶やすわけにはいかない。そうして芽生えてきたのが、郷土芸能を継承していく活動の力になりたいという気持ちです。

「雷太」は、郷土芸能に関してのお困りごとを解決するために生まれました。テクノロジーを駆使し、新領域の商品サービスを作る。これにより雷鳴がどよめき渡るが如く、郷土芸能の世界が盛り上がる一助になれば幸いです。

今後の展望 – “郷土芸能の総合メーカー”を目指します! –

郷土芸能の衣装製造や物品販売のみならず、メーカーの製造撤退により供給不足の「ゴムわらじ」開発製造や、お土産商品の開発販売、郷土芸能に特化したメディアの運営にも着手予定です。それらを通じて”郷土芸能の総合メーカー”を目指します。これから多くの皆さまのご協力を賜りながら、長年地域に土着し多くの踊り手により継承されてきた舞と対峙し、企画・デザイン・テクノロジーによって、郷土芸能を現代に生きる人々の糧とするべく邁進して参ります。

株式会社小彌太 営業部長 小瀬川雄太 氏
株式会社小彌太 営業部長 小瀬川雄太 氏(出典:株式会社小彌太)

今後の展望と期待される効果

今回の3Dプリント技術の導入により、伝統工芸分野における新たなビジネスモデルの創出が期待される。これまで限られた市場向けだった製品を、より広範な顧客層に提供することで、需要の拡大が見込まれ、デジタル技術と伝統技術の融合は、国内外での競争力を高める要素となる。さらに、職人の技術とデジタル製造技術を掛け合わせることで、若い世代への技術継承も可能となり、後継者不足の解消にもつながると期待される。この取り組みは、伝統工芸の未来を切り拓く一歩となるだろう。

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