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植物の未来を守る「葉っぱのタイムカプセル」のクラウドファンディングを開始 ― 紋葉 (LEAF PRINT PROJECT)

3Dプリンタ×バイオ素材で製作した種子入りの葉っぱのオブジェ「葉が記」/出典:100BANCH

人工の葉が地球環境にもたらす可能性を探るプロジェクトチーム「紋葉 (LEAF PRINT PROJECT)」が、葉の形と種子を保存する3Dプリンター製タイムカプセル「葉が記」のクラウドファンディングを開始した。同プロジェクトは、植物を絶滅から守ることを目的としている。クラウドファンディングの期間は2023年3月7日(火)まで(画像は3Dプリンター×バイオ素材で製作した種子入りの葉っぱのオブジェ「葉が記」/出典:100BANCH)。

「未来に植物を残したい」という思いから始まったプロジェクト

「葉が記」とは、樹脂3Dプリンターで造形した葉っぱの中に植物の種子が埋め込まれたタイムカプセルである。自生する本物の植物の葉脈だけを抽出し、手書きでトレースしデータ化したものを3Dプリントしている。本物の葉をトレースすることで、コンピュータではつくれない虫食いのあとや歪みもリアルに再現できるという。

「葉が記」を開発したのは、葉脈の美しさの再現・表現について研究するプロジェクトチーム「紋葉(もんよう)」だ。 彼らは、人間の活動によって1,700種以上の植物が絶滅するおそれがあることに問題意識をもち、絶滅の危機に瀕する植物の種を保存するために「葉が記」を開発した。

「葉が記」の葉脈・葉肉にはバイオ素材を使用

「葉が記」の葉肉部分に植物の種が内包されており、土にまけば芽が出る/出典:100BANCH
「葉が記」の葉肉部分に植物の種が内包されており、土にまけば芽が出る/出典:100BANCH

葉が記は、葉脈・葉肉・種で構成される。葉脈は生分解性のバイオマスプラスチックを素材に3Dプリンタ―で造形し、葉肉部分は寒天をベースにしたDIYバイオプラスチックを素材としている。葉肉部分には、葉脈と同じ植物から採取した本物の種が埋め込まれている。

「葉が記」に内包されていた種が芽を出すようす/出典:100BANCH
「葉が記」に内包されていた種が芽を出す様子/出典:100BANCH

葉が記は土に埋めると葉肉部分の寒天が溶け出し、種だけが残って芽を出す。葉が記そのものを鑑賞用として保存するだけでなく、育てることもできる仕組みだ。また、生分解性のバイオマスプラスチックでできている葉脈部分は、土壌の中で3年ほどの時間をかけて生分解される。

土にまかずにオブジェとして保管する選択肢も/出典:100BANCH
土にまかずにオブジェとして保管する選択肢も/出典:100BANCH

葉が記は、鑑賞用として保存するだけでなく、土に埋めることで実際に育てることもできる。このことを、紋葉は「葉の形と種を保存する葉っぱのタイムカプセル」と表現している。

紋葉のメンバーは、クラウドファンディングを通じて「葉が記」を100枚配布することを目標に掲げている。葉が記を手にとってくれる人を増やすことで、植物の種を未来につなげる輪を広げたいと考えている。

本物の植物のように土に還すことができる葉が記は、サステナビリティを強く意識したものであるといえる。3Dプリンターの活用事例としてはリサイクルやサステナビリティを意識したものが多い。

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関連する記事として、過去にShareLab NEWSが取り上げた「サステナブルな家」と「構成部品が完全にリサイクル可能なマウンテンバイク」の事例を紹介する。今回の記事とあわせて、以下のリンクからご覧いただきたい。

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