1. HOME
  2. 業界ニュースTOP
  3. ニコン、米国ロングビーチに「Nikon AM Technology Center」を開設

ニコン、米国ロングビーチに「Nikon AM Technology Center」を開設

ニコン社によるプレスリリース。

ニコン社は2024年7月29日、米国カリフォルニア州ロングビーチに「Nikon AM Technology Center」を開設すると発表した。先進的な金属積層造形技術を活用し、航空宇宙、自動車、医療などの多様な産業分野での応用を目指している。最新の3Dプリンター技術と研究開発施設を備え、環境にも配慮した持続可能な製造プロセスを実現する。(上部画像はニコン社によるプレスリリース。出典:ニコン社)

研究開発と産業応用

「Nikon AM Technology Center」には、ニコン社の最新モデルである「Lasermeister 300A」をはじめとする高度な金属3Dプリンターが設置されている。これらの3Dプリンターは、複雑な形状の金属部品を高精度で造形する能力を持ち、従来の製造方法では困難だった部品の一体成形が可能である。「Lasermeister 300A」は、金属粉末をレーザーで溶融しながら積層造形することで、均一な凝固状態を保ち、造形時の欠陥を大幅に減少させる機能を備えている。また、新しいフィードバック機能を搭載することで、造形プロセス中の金属の溶融状態をリアルタイムで監視・制御し、造形精度と速度の向上を実現している。

環境への配慮と持続可能性

「Nikon AM Technology Center」は、環境への配慮と持続可能な製造プロセスの実現にも力を入れている。再利用可能な金属粉末の使用が可能な設備を備えており、資源の無駄を減らし環境保護に貢献する。例えば、金属粉末の再利用は、製造コストの削減だけでなく、廃棄物の減少にも寄与する。また、ニコン社の3Dプリンターは、省エネルギー設計が施されており、従来の製造プロセスに比べてエネルギー消費を抑えることができる。さらに、持続可能な製造プロセスを実現するための新しい技術や方法を開発し、環境にやさしい製品の提供を目指している。

「Nikon AM Technology Center」の概要

所在地3550 Carson Street
Long Beach, California 90808
設立の目的Nikon AM Synergy Inc.、Nikon SLM Solutions Studios、および、ニコン既存のAM製品などの連携を通じて、金属AMにおける最先端のソリューションとサービスを提供
総面積90,000平方フィート

「Nikon AM Technology Center」は、業界最先端の大型L-PBF方式装置と高精度DED方式装置を備え、Nikon Advanced Manufacturing Inc.、Nikon AM Synergy Inc.、Nikon SLM Solutions AGによって運営されている。広範な顧客ニーズに対応し、DfAM(積層造形のための設計)サービス、技術的な問題や製造課題の解決策、試作および受託加工などの包括的なサービスを提供する。

ニコン社は、2030年に向けて「人と機械が共創する社会の中心企業」になることを目指している。この目標の一環として、AMを含むデジタルマニュファクチャリングを戦略事業と位置づけている。長年にわたり培ってきた光応用技術を駆使して、製造業に革新をもたらし、豊かでサステナブルな社会の実現に貢献することを目指している。

市場展開と今後の展望

ニコン社は、「Nikon AM Technology Center」を通じて、米国市場での金属3Dプリンターの導入を加速させる計画である。現地企業や研究機関との共同研究や技術提携を進めることで、新たなビジネスチャンスの創出と技術革新を図り、ニコン社の先進的な技術力と現地のネットワークを活かし、米国市場においても競争力を強化する。また、欧米市場での販売も視野に入れており、国際的な規格に対応した製品展開を進める計画である。

ニコンの関連記事

今回のニュースに関連するものとして、これまでShareLab NEWSが発表してきた記事の中から3つピックアップして紹介する。ぜひあわせてご覧いただきたい。

国内外の3DプリンターおよびAM(アディティブマニュファクチャリング)に関するニュースや最新事例などの情報発信を行っている日本最大級のバーティカルメディアの編集部。

資料ダウンロード 3Dプリンティング国内最新動向レポート

サイト内検索

関連記事