nLIGHT社とEOS社が戦略的協力を締結、次世代金属3Dプリント技術を推進
アメリカの高出力半導体およびファイバーレーザーの企業であるnLIGHT社と、グローバルなAM技術の企業であるEOS社は、プログラム可能なAFXビームシェーピングレーザーを利用した金属AMシステムの共同開発を目的とした戦略的協力を発表した。金属3Dプリントの生産性と品質が大幅に向上させ、2024年後半には新しいシステムが顧客に提供される予定である。(上部画像はEOS社のプレスリリース。出典:EOS社)
協力の背景
nLIGHT社とEOS社の協力は、双方の技術と市場でのリーダーシップを融合させる戦略的な動きである。nLIGHT社は高出力半導体およびファイバーレーザー技術において卓越した企業であり、産業用、微細加工、航空宇宙、防衛分野で広く認知されている。一方、EOS社は1989年以来、AM技術のパイオニアとして、金属およびポリマーAMソリューションの提供を通じ、多くの企業のイノベーションを支援してきた。nLIGHT社の先進的なレーザー技術とEOS社の高度なAMシステムを組み合わせることで、より効率的で高品質な金属3Dプリントを実現することを目指している。両社は共に、産業界のニーズに応じた技術革新を推進し、顧客満足度を向上させるための取り組みを強化している。
nLIGHT社とEOS社の技術
nLIGHT社のプログラム可能なAFXビームシェーピングレーザーは、一つのレーザーで七種類のビームプロファイルを提供できる。85ミクロンのスポットサイズから210ミクロンのリングプロファイルまで、用途に応じて最適なビーム形状を選択でき、316Lステンレススチールやアルミニウムの印刷速度が従来の400Wプロセスと比較して最大で三倍に向上する。また、プロセスの安定性が向上し、スートやスパッターの発生が減少。これらの技術的特徴は、EOS社の金属AMシステムに統合され、顧客がより高い生産性と品質を享受できるように設計されている。特に、AMCMを通じた初期導入の成功を基盤に、EOSの広範なポートフォリオにこの技術を展開する予定である。
市場への影響
従来のAMシステムと比較して、nLIGHT社のAFXレーザー技術を搭載した新システムは、印刷速度と品質において大幅な向上を実現するため、多くの産業分野での導入が加速する見込みである。特に航空宇宙、自動車、医療などの高精度部品が求められる市場での競争力が強化される。また、この協力により、AM技術の普及と産業全体のデジタル化が一層進展し、製造プロセスの効率化とコスト削減が実現する。市場の成長予測に基づけば、2030年までに年平均成長率23.9%という高い成長が期待されており、両社の協力はこの成長を加速させる重要な要素となる。
さらに、nLIGHT社とEOS社は、2024年後半にAFX対応システムを市場に投入する予定で、顧客は新たな生産性と品質向上を実現することができる。両社は今後も技術開発と市場拡大に注力し、さらなるイノベーションを推進する計画だ。また、両社の技術力を活かして、環境に配慮した持続可能な製造プロセスの実現にも貢献する方針だという。
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