Stratasys社の第3回ESGおよびサステナビリティレポート発表
Stratasys社は、第3回ESG(環境、社会、ガバナンス)およびサステナビリティレポート「Mindful Manufacturing」を発表した。本レポートは、グローバル・レポーティング・イニシアティブ(GRI)に準拠し、SASB(サステナビリティ会計基準委員会)の基準を参照して作成されている。これにより、ESGの優秀性やリスク管理を重視したStratasys社の取り組みが明確に示された。Stratasys社のサステナビリティ戦略「Mindful Manufacturing」の一環として、同社は製品ポートフォリオやサプライチェーン全体で炭素削減イニシアチブを導入。顧客は環境目標を達成しながら、製造プロセスの効率化を図ることが可能となる。(上部画像は第3回ESGおよびサステナビリティレポートより。出典:Stratasys社)
目次
Stratasys社2023年ESGおよびサステナビリティレポート概要
Stratasys社の2023年ESGおよびサステナビリティレポートは、環境、社会、ガバナンス(ESG)の各分野での取り組みと成果を包括的にまとめている。同社は「Mindful Manufacturing」戦略のもと、持続可能な製造を推進し、業界リーダーとしての地位を確立することを目指している。
環境面では、再生可能エネルギーの活用を拡大し、2023年には778,365 kWhを使用して554トンのCO₂排出を回避。リサイクルプログラムや廃棄物削減施策を実施し、循環型経済への移行を進めている。加えて、ISO 14001環境マネジメント認証をグローバルに拡大し、持続可能な製品設計を重視している。
社会面では、多様性とインクルージョンを推進し、社員の能力開発や育児休業制度を強化。ガバナンス面では、透明性のあるリーダーシップを確立し、持続可能性を重視した経営方針を採用している。
Stratasys社は、持続可能な未来を実現するための革新的な技術開発を継続し、顧客や業界と連携して新しい価値を創出することに力を注いでいる。
循環型製造と環境配慮型デザインの取り組み
Stratasys社は最新のサステナビリティレポートにおいて、環境への配慮を基軸とした製品設計や製造工程の改善を強調している。同社は循環型経済への移行を推進し、資源の効率的な活用と廃棄物削減を目的とした多様な施策を実施している。
1. 循環型製造モデルの構築
Stratasys社は、製品ライフサイクル全体を通じて資源の無駄を最小化するための循環型モデルを導入している。
• 再利用・修理プログラム:使用済み製品を再利用する「Certified Pre-Owned (CPO) プログラム」により、製品寿命を延ばし新たな資源消費を削減している。
• リサイクル・回収プログラム:顧客が使用済みの製品や部品を適切にリサイクル・改修できる仕組みを提供することで、資源の再循環を促進している。
2. 環境に優しい設計と生産
Stratasys社は耐久性の高い製品設計を推進し、製品の長寿命化と環境負荷の低減を両立することを目指している。また、以下の取り組みも行っている。
• 持続可能な材料の使用:環境への影響を抑える材料選定を進めており、設計段階からサステナビリティを考慮している。
• 再生可能エネルギーの活用:製造施設では再生可能エネルギーや省エネ型設備を導入し、エネルギー効率の向上を図っている。
• ISO14001認証の取得:環境マネジメントシステムを確立し、国際的な環境基準に準拠した製造を実施している
3. 廃棄物管理とサプライチェーン
同社は製造工程における廃棄物削減を重要視し、堆肥化や食品寄付などの施策を通じて、埋立地への廃棄物排出を抑制している。また、サプライチェーンにおいても持続可能な調達を行い、サプライヤーに対して高い環境基準を課している。
Stratasys社は、3Dプリンティング技術を活用しながら持続可能な製造を実現する革新的な取り組みを進めている。このレポートは、同社が単なる技術提供者にとどまらず、より持続可能な未来を目指すリーダー企業であることを示している。
Stratasys社の持続可能な未来への展望
今後、Stratasys社は「Mindful Manufacturing」戦略を軸に、さらなる技術革新と持続可能な製造の促進を図ることを目指している。具体的には、3Dプリンティング技術を活用したカーボンニュートラル製品の開発、サプライチェーン全体の脱炭素化、より高効率なリサイクルシステムの構築を進めていく方針だ。また、顧客との協力を通じて製造業全体の持続可能性向上を図り、社会に対するポジティブな影響を最大化することを展望している。
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