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毎日平均1台以上。全国に3Dプリンターを届けている日本の会社システムインナカゴミ

2019年9月5日、パシフィコ横浜で行われた高精度・難加工技術展2019を訪れた際に、シスムインナカゴミ社の名前をみかけ、立ち止まった。横文字がここまで並ぶと日本語に見えなくなってくる。スタッフは皆さん日本人だったが、ひょっとしてインドあたりのベンチャー企業かとおもって尋ねてみたら生粋の日本企業さまだった。そんなびっくりからシステムインナカゴミさんとのお話は始まった。 ご対応いただいたのは3Dプリンター事業部の長田修課長。

インドか東南アジアの会社さんかと思いました( ´∀` )社名の由来を伺ってもよいですか?

「NEC系のPC販売ショップの共通屋号がシステムインだったのに由来しています。社長が中込だったので、システムインナカゴミ、というわけです。かつては日本中にシステムイン○○という屋号の企業があふれていたのですが、PCが多様化するとともに姿を消していきまして、いまでは日本中でも弊社をふくめて数社という状況のようです。(長田氏)」

システムインナカゴミ社はそんな時代の激流を乗り越えて、事業を多角化。現在ではデスクトップ用3Dプリンターを年間400台以上販売している3Dプリンターの販売代理店としても活動している。ポーランドのZortrax社を中心に販売店契約をむすび、「日本で一番同社のプリンターを販売している (長田氏) 」とのことだ。実に1日1台以上、日本中に3Dプリンターを広めているんだな、とおもうと感慨深い。試作等を手掛ける企業によっては1か月に6台も購入するケースがあったそうだ。

「その時は、1台ご購入をいただき、夜にまた1台ご購入いただき、翌日に3台まとめてご購入いただきました。間違いかと思いお問い合わせしましたら、『買ってみてよかったから社長の一声で追加で買うことになりました』とコメントをいただいたこともあります。(長田氏)」

売れ筋はどの機種ですか?

「うちで一番売れているのはエントリーモデルの20数万円台の機種で、ZORTRAX製の光造形プリンタ「Zortrax Inkspire」です。 精密モデルの作成が可能 で造形範囲は74×132×175㎜です。もうちょっと大きいのがよいという方は40万円台の機種「Zortrax M300 Plus」を選ばれます。(長田氏)」

直径30センチの蓋が稼働する収納ケース。ペットボトルと比較すると大きさがわかる。3Dデータは配布されていたものを4倍に引き延ばして出力したとのこと。

造形範囲が30センチというカタログスペックをみると小さい印象があったが、実際に見てみると意外に大きい。
「実際ヘルメットも作れます。案外大きいんですよ、30センチ。これ以上になるとFDMの場合、ゆがみが出易いので、いまの性能ではこれくらいが限界かな、と思います。(長田氏)」

このサンプルを作るのにかかった時間を教えてください。

「だいたいですが、
・ボウル状の造形物:造形日数5日
・ロボットの腕: 造形 日数8日(のべ約200時間)
ですね。(長田氏)」

制作時間のべ約200時間、メーカー配布のサンプルデータを出力したロボットの腕。
部品点数が多いので、 Zortrax M200 2台、M300 1台の三台で分業して出力したとの事。

最近面白いものありますか?

「2つあります。1つはデスクトップで初めてPEEK材(スーパーエンジニアリングプラスチック材の1種)を使った3Dプリントに​成功したドイツのApium社の最新モデルApium P220です。耐熱性、機械的強度、対薬品性に優れていますので、加熱殺菌が必要なヘルスケア用途に向いています。 どうしても通常の樹脂だと熱で変形しますが、この素材を使うと250度まで耐えられます。人の肌に触れても害はないので、その意味でも多用途に展開できそうです。(長田氏)」

造形範囲は220×175×160㎜。気になるお値段は、おおよそ700万円台とのこと。生産設備として現実的に検討できる生産現場も多いだろう。

Apium P220 。写真はシステムインナカゴミ社サイトより。

もう一つはこの「 Zortrax Apoller 」です。

造形物の積層時にできるガタガタを有機溶剤でとかして滑らかに加工する装置。おおきな電子レンジの溶暗サイズだ。約70万円ほど。

「ちょっとおおきな電子レンジのようですが、 FDM形式の3Dモデルの表面を滑らかにして、積層痕を除去する 装置です。MEK(メチルエチルケトン)またはアセトンを気化しフィラメントを溶かしています。おなじ条件で同じように表面をクイックに加工できるので、手軽に再現性が高い表面処理が可能です。非常におすすめです。(長田氏)」

つるつる、すべすべで艶がある仕上がり。

樹脂の造形物の表面は積層の際に模様のようにのこったり、溝になったりすることが多いが、有機溶剤で溶かし艶のある滑らかな表面に処理できる。サンプル展示されていたものは、非常にきれいな仕上がりだった。販売価格は70万円台とのことだった。取り扱いが危険な薬品での加工を安定的に行える設備として導入できるのは試作を多く行う企業にはメリットが大きいだろう。

毎日1台以上日本の造形者のために3Dプリンターを届けているシステムインナカゴミ社のように、 3Dプリンターの目利きし、使い方を啓蒙して、販売してくれる存在が、日本のモノづくりを変えていくのに一役買っているのだと思う。

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