圧倒的実績を持つ丸紅情報システムズが提供する「Studio システム+」とは
2020年1月29日から3日間に渡り、東京ビッグサイトで開催される国内最大級の3Dプリンティング & AM技術の総合展「TCT Japan 2020」。ShareLab(シェアラボ)編集部は同イベントのメディアパートナーとして事前情報をお届けしていく。
今回取材した丸紅情報システムズ株式会社(以下、丸紅情報システムズ)は、総合商社である丸紅のグループ企業で、主に先端技術のコンサルティングや導入支援を行っている。企業向けの情報システムの中には、工場で導入されるシステムや装置も含まれる。
3Dプリンターの販売・保守、レンタル、出力サービスはその中の一つのソリューションだ。世界no. 1のシェアである3Dプリンターの大手、ストラタシス社の3Dプリンターを中心に27年にわたる販売・保守サポートを展開しており、同社3Dプリンターのアジア太平洋地域トップリセラーであり、国内累積販売台数は2,200台以上の実績をもつ。2019年からは同社の出資を受けているデスクトップメタル社の金属3Dプリンターの販売を開始した。
TCT Japan 2020でもデスクトップメタル社の3Dプリンター 「Studio System+」 を展示するとのことなので、製造ソリューション事業本部 製造ソリューション事業本部 モデリングソリューション部の栗田 剛二郎氏にお話を伺った。
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――丸紅情報システムズとしての3Dプリンターに対する取り組みを教えてください。
私たち丸紅情報システムズはストラタシス社の国内正規販売代理店として 27年以上にわたり活動してきました。海外の製品ですので、保守・サポートは販売店の努力による部分も多く、東京、名古屋、大阪の3拠点に全25名以上の専門技術員を配置して対応しています。27年前、国内にFDM方式を最初に持ってきたのは私たちだと自負しており、長年の実績から有形無形のノウハウが蓄積されています。
そのノウハウを活かして製品を販売するだけではなく、レンタルやリース、サービスビューロとしての造形出力サービスもご提供しています。3Dプリンターに関して総合的にサポートができるように取り組みを進めてきました。
――レンタルができるのはいいですね。私たちShareLabでも「3Dプリンター レンタル」と検索してサイトを訪問する方が一定数いらっしゃいます。
そうですね。近年、3Dプリンターの金額帯が手ごろになってきたとは言え、産業用3Dプリンターは高額な装置です。導入したことがない企業様もまだいらっしゃいます。どこに置くのか、どうやって使うのか、使い勝手はどうやって判断すればよいかなど、はじめて買う前に、レンタルして試してみて、納得した上で購入したいという方も多いです。
また、現在の3Dプリンターの多くは試作・開発用途で導入されています。そのため、1か月で目的が達成されて、返却されてくる、ということは、ほとんどありません。数か月使ってみて、試作・開発のサイクルを早く回せるようにできるか、社内体制の整備と並行して開発されていく企業様が多い印象です。
そのため、 私たちは 100台以上のレンタル機器を保有し、お客様のニーズに合わせて期間や機種など柔軟なレンタルプランをご提案しています。
――やはり一定の検証期間は見込んでおく必要がありそうですね。そういう意味では、長年3Dプリンターの導入を支援してきて、うまくいく企業行かない企業の特徴のようなものはあったりしますか?
導入する目的にもよると思うのですが、なんでもやろうとする企業様はアテが外れてしまうことが多いかもしれません。既存の工法の方が、コストが安く、品質も担保しやすい場合も確かにあります。
しかし、金型を作らなくても少量のサンプルを作る、一部のカスタマイズ部品や補修部品を3Dプリンターで作るという取り組みは、本格的に検討する価値がありますし、実際に取り組んでいる企業様もいらっしゃいます。段階的に自社に適した活用場所を見つけていく事が大事だと思います。そういった仮説検証サイクルをきちんと回すことで、成果につなげていく事ができると思います。
その過程で、飛び越えた発想ができないベテランの常識を、 3Dプリティング で打ち破る人材が生まれた、というお声をうかがうこともあります。3Dプリティングという新しい方法を取り入れる事で、ブレイクスルーが生まれる場合も多いにあるのです。そのために、ラピッドに試作開発を回せるかどうかは、実際にやってみる事ができるかどうかに成否はかかっていると思います。
――そういう意味ではレンタルサービスは非常にありがたいですね。リースも行っているのでしょうか?
はい。 他の機器・装置でも同じだと思いますが、 財務的な観点でリースをご要望になる企業様は多いです。ある程度の予算があっても、あえてリースで導入することを経理部から要請された、というようなお話は珍しくありません。3Dプリンターでもご不便がないようにリースなどの対応をさせていただきます。
――販売・保守からレンタル、リースまでと総合的なサポートを提供しているんですね。そういったご活動の中で、今回、TCT JAPAN 2020に出展されると思うのですが、今回はどのような展示が中心になりますか?
デスクトップメタル社の金属3Dプリンター「Studio System+」 を主体に展示を組み立てています。こちらの3Dプリンターは、3Dプリンター本体、デバインダー(脱脂装置)、ファーナス(焼結炉) という3つの装置から構成されています。3Dプリンターの出力方式は 熱溶解積層(FDM)方式で、金属粉末と熱可塑性のバインダー(結合樹脂材)を混合したスティック状の材料を積層して造形します。その造形物を、デバインダーに入れて、バインダーを除去します。その後、ファーナスで焼結させることで、金属の造形物を完成させるという仕組みです。焼結の過程でおおよそ20%程度体積が小さくなります。
――装置が3つに分かれているんですね。
はい、3つに分かれていますが、研究施設などのオフィスでの設置も想定しているので、そこまで場所は取りません。3つの中で一番大きいファーナスでもその本体サイズは、1380 × 754 × 1618(mm)です。
――造形できる材質はどんな種類がありますか?
ステンレス鋼(SUS316L)、高強度ステンレス鋼(17-4PH)、クロムモリブデン鋼(4140)、インコネル(Inconel 625)、工具鋼(H13)、銅の6つのラインナップがあります。
金属モデル材料は、金属粉末とワックスとポリマーを練り合わせてスティック状にしたものです。それとは別にサポート材は、セラミックスとワックスとポリマーを練ったものを用います。どちらも簡単にプリンター本体にセットできるようなカートリッジとして提供されています。粉体でないためオフィスや研究施設での管理・運用も比較的容易に行えます。
実際にどのような金属モデルができるのか確認されたいというお客様に対しては、評価用のベンチマーク造形も受け付けているので、お気軽にお問い合わせください。
――最後にTCT JAPAN 2020にご来場いただく方にメッセージをお願いします。
3Dプリンターの発展はめまぐるしいです。数年前に導入を検討したけれど、要求に合わなかったという方でも、今見てみると丁度よい製品が出ているというお声も日々聞こえてきます。
2020年の年内をめざして今日ご紹介した試作用途の金属3Dプリンター 「Studio System+」を発展させた、量産向けの装置「Production システム」の発売も予定しています。最新情報をぜひ会場で確認してください。
当日は私たちのブースでも実際に手に取っていただける造形サンプルもご用意していますので、サンプルを触りながら、疑問をぶつけていただければ私たちがお答えします。
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