1. HOME
  2. 業界ニュースTOP
  3. 「AM研究会第9回委員会」参加報告

「AM研究会第9回委員会」参加報告

2024年7月23、24日に「2024年度AM研究会 第9回委員会・見学会」が開催され、会場とオンライン含め500名以上の参加があり、シェアラボから丸岡が参加した。委員会ではAMに関する産学様々な分野からの講演があり、見学会では日本電子社にて電子ビーム金属3Dプリンター及び多種の理科学計測装置を実際に見て、多くを学ぶことが出来た貴重な機会であった。その中から重要なポイントに絞り、以下に報告する。(上部画像はAM研究会ウェブサイト。出典:AM研究会)

AM研究会とは

AM研究会は2022年4月に「産学官、学協会の枠組みを超え、AMの学術・技術の構築を行うことにより、デジタル技術を駆使してAM技術を日本に広く普及させ、日本の製造業強化を図ります。また、政府への政策提言、日本学術会議での活動などの取りまとめ、日本AM学会の設立を目指します」をミッションとして設立。AMサイエンス、AMテクノロジー、AMビジネスを3本柱として、情報交換や人脈形成、AM事業の成功例を増加させる場として活動。これまで定例委員会(セミナー)を年4回程度開催し、今回が第9回目であった。詳細はAM研究会ウェブサイト(https://ji-am.jp/)を参照されたい。

委員会での講演トピックス

委員会は下記プログラムで、東京大学生産技術研究所 コンベンションホールでの会場とオンラインのハイブリッドで開催された。

講演講演者
開会の挨拶物質・材料研究機構構造材料研究センター 
副センター長 渡邊 誠 氏
委員長挨拶中野 貴由 委員長(大阪大学 教授)
講演① 「エナジートランジションへの取組とAM」三菱重工業株式会社 代表取締役副社長執行役員 
兼GXセグメント長 加口 仁 氏
講演②「ゲル造形の最先端」山形大学 教授・副学長特別補佐・工学部長特別補佐
古川 英光 先生
講演③「AMにおける組織予測シミュレーションの現在と未来」京都工芸繊維大学 機械工学系 教授
高木 知弘 先生
講演④ AMビジネス トピックス紹介(第5回)
「全国高専デザインコンペディションの紹介」
米子工業高等専門学校 総合工学科 教授・校長補佐
玉井 孝幸 先生
講演⑤ AMテクノロジー トピックス紹介(第7回)
「X線残留応力測定装置の紹介」
パルステック工業株式会社 X線応用装置課 課長
内山 宗久 氏
講演⑥ AMサイエンス トピックス紹介(第7回)
「レーザ積層造形に適用可能な新規アルミニウム合金の設計」
名古屋大学 大学院工学研究科 准教授
高田 尚記 先生
AM研究会の活動報告AM研究会事務局 桐原 慎也 氏
(株式会社シグマクシス 常務執行役員)
閉会のご挨拶前川 篤 副委員長(大阪大学 招聘教授)

まず、中野委員長、事務局から、2025年4月に設立予定の(一社)日本 Additive Manufacturing(AM)学会🄬の準備を着々と進められていること、AMに関するサイエンス・テクノロジー・ビジネスに加え、アート、セキュリティまで広い分野を対象とし、近未来型の学会を目指すというビジョンが示された。また2024年度企業賛助会員募集につき、現時点でプラチナ会員16社、ゴールド会員34社となっている報告があった。

また、三菱重工業 加口様の講演では「なかなか難しいがやらなければならない(加口様)」世界のエネルギーと環境についての課題と、AI/データセンターの需要含め、拡大が予測される日本の電力需要の課題が示された。その対策におけるAMへの期待として、AM技術を産業レベルで活用するキーポイントをDfAM(AMを活用する設計。構造最適化、流体最適化、熱流最適化など)とAM品質保証(造形モニタリング、画像撮影など)を挙げられた。また、これまでは既存構造の置き換え改良だが、これからはAMしかできないことへの挑戦(構造から機能へ)であり、用途として熱流動性能の高度化、高機能部品(例:水素製造装置の電極部材)、レアメタルの有効活用などを示された。これらエネルギートランジションにおける課題と需要は、今後日本が世界に対してリードできる可能性のあるAM活用分野ではないだろうか。

トピックスとして、第21回全国高等専門学校デザインコンペティション(主催 : 一般社団法人全国高等専門学校連合会)が2024年11月2日(土)、3日(日・祝)に阿南工業高等専門学校(徳島県)で開催される。「AMデザイン部門」の募集テーマは、感染症、気候変動などによる世界的な変化を背景に、「人と人とが豊かにつながるものづくり」とし、「課題解決型から提案型へ」を目指すとのこと。当日見学は自由で、協賛企業も募集されているとのことで、関心のある方はぜひご検討いただきたい。

見学会の概要

委員会の翌日である2024年7月24日に日本電子株式会社昭島製作所(本社)見学会が開催され、参加した。日本電子社から会社概要や電子ビーム金属3Dプリンター「JAM-5200EBM」、並びに最新型の透過電子顕微鏡(TEM)、走査電子顕微鏡(SEM)のご紹介の後、実際の装置、製品を見学した。実機や内部を実際に見て、個別の質問に専門のご担当の方々からわかりやすく回答を頂け、電子ビーム金属3Dプリンターについての知識と理解を深められた、非常に貴重な機会であった。顕微鏡も観察分析対象と目的により多種の技術や装置があり、金属結晶構造から原子構造、筋肉や臓器など軟組織まで、これまで見たことがない画像も拝見でき、同社の高い技術力を改めて実感した。

委員会、見学会参加を終えて

今回の委員会でも、AM研究会が対象とするサイエンス・テクノロジー・ビジネスに関係する広い分野の講演があり、ゲルフードプリンター・ゲル3Dプリンター研究開発からビジネスの話題から、これまでにない金属組織、合金の解析、造形、評価の高度な研究を含め、AMの可能性を参加者で共有し、また参加者間での交流ができたことは、有意義なイベントであった。閉会挨拶の中で前川副委員長から「これからアメリカ、ドイツのように実用普及をAM研究会、AM学会を中心に進めたい」とのメッセージもあり、今後のAM研究会の活動と発展に期待しつつ、引き続きシェアラボとしても注目、協力していきたい。

特別企画・取材の関連記事

今回の記事に関連するものとして、これまでShareLab NEWSが発表してきた記事の中から3つピックアップして紹介する。ぜひあわせてご覧いただきたい。

設計者からAMソフトウエア・装置販売ビジネスに20年以上携わった経験と人脈を基に、AMに関わるみなさんに役立つ情報とつながりをお届けしていきます。

資料ダウンロード 3Dプリンティング国内最新動向レポート

サイト内検索

関連記事