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研磨加工の通販!明朗会計でスピーディーな徳吉工業のBOXオーダーに注目

徳吉工業は新潟県燕市に拠点を置く、磨き工程の専門企業だ。新潟県燕市といえば燕三条と呼ばれ、古くから続く鉄製品が盛んな工業地帯であり、iPhoneの部品調達で一躍世界に名を馳せた。経営層の世代交代を経て、活きのいいモノづくり企業が集まっている、と近年注目を集めている、そんな燕三条エリアでの産業展示会燕産業フェアでも3Dプリントコンテストが開催されるなどAM(アディティブ・マニュファクチャリング)に取り組む企業の数も多く、AM業界の盛り上がりを見せている。

そのような環境下で、徳吉工業はAMで作られた部品の研磨を、スピーディーに研磨するサービス「BOXオーダー」を打ち出している。他に類を見ないこのサービスに関して、我々ShareLab編集部も以前から注目しており、今回2020年1月29日から開催されるTCT Japan 2020に出展されるとのことなので、代表の徳吉 淳氏に「BOXオーダー」の詳細、そして、TCT Japan 2020での見どころを伺ってきた。

***

――実はShareLab編集部では燕三条産業フェアで徳吉工業さんの「BOXオーダー」をお見掛けしてから、御社にひそかに注目しておりました。早速ですが、御社をあまりご存知ない方に向けて自己紹介をお願いできますか。

ありがとうございます。弊社はもともと、地元企業からの依頼で、やかんや鍋などの繋ぎ目にある金属部分を綿やフェルトで作られた「バフ」を用いて研磨するバフ研磨を行う、磨き工程専門企業としてスタートしました。

徐々に研磨方式をバフ研磨からバレル研磨に主軸を移していき、現在ではバフ研磨は廃止させていただきました。その後、日本国内ではまだ導入が少ない、ドラッグフィニッシュ研磨を取り入れるなど活動の幅を広げてきました。

3Dプリンターでの造形品に関する取り組みもその一つで、積層痕を消す磨きサービスを、ひと箱いくらという形でご提供しています。お客様が見積りを待つ時間を削減し、素早く対応できる研磨の通販のようなものです。

――研磨にあまり詳しくなく初歩的な質問で恐縮ですが、バレル研磨、ドラッグフィニッシュ研磨とはどんな研磨方法なのでしょうか?

バレル研磨とは、大きな樽に研磨剤(メディア)と研磨したい部品(ワーク)を入れてその樽を回転させることで、部品を磨く研磨技法です。樽の中でワーク同士がぶつかったりする可能性があるので、 打痕ができる場合も少なからずあります。そのため、ワークによって機器のセッティングを調整し、ワークが大きいものの場合は1個ずつ研磨するなど、我々が有するノウハウを用いて研磨を行っていきます。

バレル研磨(提供:徳吉工業)

ドラッグフィニッシュ研磨では、従来のバレル研磨とは違い、ワークを固定させることで打痕が発生しない研磨加工が可能です。バフ研磨の代わりとしても有効だと思います。

ドラッグフィニッシュ(提供:徳吉工業)

他にも研磨方式はいろいろあるのですが、弊社は磨き工程専門ですので磨きたいものに合わせて最適な研磨方式をご提案しています。

――BOXオーダーは非常に特徴的なサービスだと思うのですが、どのようなきっかけで始めたのでしょうか?

BOXオーダーの流れ(提供:徳吉工業)

2020年現在、日本でもAMで最終製品を磨きたいという企業さまのニーズが既に存在はしますが、非常に少数です。多くの企業さまは、製品開発の初期試作の段階ではご自身で磨かれます。

しかし、試作が進み、より製品化の段階が近づいてくると、研磨以外の他の改善作業に注力したいとお考えになるはずです。1個2個の部品はご自身で磨いたほうがコストも安いですが、部品点数が増えてくると磨きを専門家に任せ、その他の改善のために時間を使った方が効率がよくなります。徳吉工業のBOXオーダーはそのお手伝いができればと考えて始めたのがきっかけです。

――「BOXオーダー」ではどのような依頼が多いですか?

「BOXオーダー」のラインナップ(徳吉工業サイトより)

当方からは、何に使う部品かをお伺いしていないので、詳しい用途は分かりかねますが、千差万別だと思います。

個人でも法人でもお気軽にご利用いただけるように、金額を明示していることもあってか、さまざまなお問い合わせをいただいています。部品1点のみのご依頼いただく場合もありますし、ある程度の量をお任せいただく場合もあります。ただ、法人の方は基本的に「様子見」でご依頼いただいているような感触がありまして、一度BOXオーダーいただいてから、大きめのロットでご依頼をいただくケースが多いです。

――気軽に試してからお願いできるのは大きなメリットですね。ところで「BOXオーダー」は造形方式によってメニューが分かれていますが、加工方法も違うのですか?

造形方式によって積層痕の形状、造形品の強度などの差異があります。そのため、仕上がりに影響してきますので、 詳細は企業秘密なのですが、材質や造形方式によって磨き方を変えています。

―― なるほど、奥が深い……。最後にTCT Japan 2020での見どころを教えてください。

実際にブースでサービスのご紹介を行っているのですが、もし磨きたいワークが決まっているのであれば、そのワークを持ってきていただければ一番お話が早いと思います。個人の方でもスタートアップの方でも、お仕事をご依頼いただければお手伝いしています。1個から磨けるBOXオーダーなどをうまくご活用いただき、時間を作っていっていただきたいと思っています。

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編集/記者

2019年のシェアラボニュース創刊以来、国内AM関係者200名以上にインタビューを実施。3Dプリンティング技術と共に日本の製造業が変わる瞬間をお伝えしていきます。

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