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ニコンが独金属3DプリンターメーカーのSLM社買収を発表

株式会社ニコン(以下ニコン)は9月2日、ドイツの金属3Dプリンターメーカー、SLM Solutions Group AG(以下SLM) の買収を発表した。買収金額は総額840億円の見込み。

今回ニコンが買収を発表したSLMは1996年創業、ドイツのリューベックに本社を置く大手金属3Dプリンターメーカーである。金属3Dプリンタ―において現在主流となっている造形方式「粉末床溶融結合法 (パウダーベッドフュージョン)」を採用した3Dプリンタ―を開発・販売している。

ニコンが自社で近年製造・販売を始めた「指向性エネルギー堆積法( DED:Directed
Energy Deposition)」
を採用した造形・肉盛りができる光加工機「Lasermeister 100Aシリーズ」に加えて、SLMの新たなラインアップが加わることになる。

SLM社の主力大型金属3Dプリンター「NXG XII 600」

ニコン 代表取締役 兼 社長執行役員の馬立氏は次のように述べている。

「本買収は、中期経営計画で定めた 2030 年のありたい姿である「人と機械が共創する社会の中心企業」の実現に向けた、重要なステップです。戦略事業に位置付けているデジタルマニュファクチャリング事業において、有望市場である金属 AM 領域で新たな価値創造を目指します。金属 AM 装置は、複雑な部品製造を実現し、製造時間の短縮、CO2 排出量、エネルギーコスト、廃棄物の削減に貢献し、ものづくりの世界に革新をもたらすと考えています。当社と、世界有数の金属 AM 専業会社である SLM 社は、技術による革新がものづくりの未来を変えるというビジョンを共有しています。本買収により、当社のデジタルマニュファクチャリング事業をさらに成長させていきます。」

ニコン 代表取締役 兼 社長執行役員の馬立氏

ニコンは中期経営計画において、戦略事業として「デジタルマニュファクチャリング」を掲げている、3Dプリンティング技術をはじめとした材料加工領域へのビジネス展開を図っており、完成品・コンポーネント・受託加工サービスなどの形での顧客への製品・サービス提供を進めている。

ニコンは、半導体露光装置の製造などに求められる精密な位置決め技術や、レーザー加工中のモニタリング技術など従来の事業で培ったノウハウを活かすことができる3Dプリンティングに近年注力している。2019年にはDMG森精機との業務提携を発表し、工作機械トップメーカーであるDMG森精機が有するグローバルでの販売網を活用した光造形機「Lasermeister 100Aシリーズ」の販売強化、昨年2021年4月には宇宙航空部品のAM技術を用いた受託加工を行う米Morf3D社の子会社化を発表した。

関連情報:ニコン プレスリリース「米国の宇宙航空機部品受託加工会社Morf3D Inc.に出資、子会社化」

国内外の3DプリンターおよびAM(アディティブマニュファクチャリング)に関するニュースや最新事例などの情報発信を行っている日本最大級のバーティカルメディアの編集部。

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