FabLab SENDAI-FLATがデジタル工作百科事典サイト「Materials Archive」を開設
個人・小規模クリエイター向けにものづくりの実験・実践の場を提供するFabLab SENDAI-FLATは、デジタル工作における素材の情報や加工結果をまとめたサイト「Materials Archive」を開設。材料の加工例などは随時更新していく予定だ。
新Webサイト「Materials Archive」
Materials Archiveは、 デジタル工作を中心としたものづくりに役立つ情報をまとめたWebサイトだ。
公益財団法人仙台市市民文化事業団の助成を受けて、2022年12月に開設された。 材料の性質・加工方法・加工結果などが掲載されており、情報は随時更新される。
加工例の情報として、レーザーカッター・UVプリンタ―で加工した、木材、樹脂、紙、天然素材などの素材別に各加工例や特性を紹介している。また、レーザーカッターだけではなくFDM方式を中心とした3Dプリントの造形結果や、その他の加工技法としてアクリル等樹脂の染色、UVレジンによるアクリル板接着などさまざまな加工の際の加工データや特徴を掲載している。
同所で実施している素材の製法などに関する調査やデジタル工作マシンの基礎知識なども掲載している。
何かを作りたいときに、誰もが無料で最新の情報に触れることができる。
また、画像が充実しており、加工結果が視覚的に理解しやすいことも大きなメリットだ。
3Dプリンターをはじめとしたデジタル工作で分からないことがあった際には、ぜひ一度ご覧いただきたい。
FabLabとは
FabLab(ファブラボ)とは、個人による自由なものづくりを支援する市民工房のことだ。
デジタルからアナログまでさまざまな工作機械をそろえ、実験的な理念を共有する市民工房が緩やかに繋がって世界的なネットワークを構成している。
「FabLab」の名称を利用するためには、以下4つの条件を満たすことが推奨されている。
- 1. 一般市民に開かれていること
- 2. ファブラボ憲章の理念に基づき運営されていること
- 3. 共通の推奨機材を備えていること
- 4. 国際規模のネットワークに参加すること
上記の詳細内容については、FabLab Japanの「What’s FabLab?」のページをご覧いただきたい。
FabLabの具体的な活動には、「工作機器の提供」「機材講習」「ものづくりに関する教室の開催」などがある。
一例として、ファブラボ品川は株式会社良品計画と協業し、無印良品の製品に3Dプリントした「拡張パーツ」を付与するサービスを開始。「無印良品 板橋南町22店」内にて、棚に敷き詰められた本を取り出しやすくするためのしおりなど、無印良品の製品をより便利に利用するための自助具を提供している。
FabLab SENDAI-FLATとは
FabLab SENDAI-FLATは「何か面白いもの・ことと出会える場所」を目指し、2013年5月に活動を開始した。
「FLAT」には、誰もがものづくりに参加できるようにしたいという願いが込められている。
参考情報
材料比較ツール
3Dプリンタ導入時には「どんな材料を使うべきか分からない」という問題に必ずぶつかる。
そうした疑問の解消のため、さまざまな企業が材料を比較検討するためのツールを提供している。
例えば、日立金属が提供する金属3Dプリント支援サイト「Addurn」では、金属造形に特化し、金属材料の物性をグラフ上に表示することができる。
オンライン発注プラットフォーム
また、株式会社カブクのオンラインプラットフォーム「Kabbuku Connect」では、3Dデータを送るだけで最短5秒の見積もりが可能だ。こちらは既にデータを持っている人向けのサービスとなる。
本記事で取り扱ったMaterials Archiveは、誰かに相談する前に自分でも調べてみたいという場合に最適なツールだ。デジタル工作マシンと素材の相性を考慮したものづくりに、ぜひ役立てていただきたい。
国内外の3DプリンターおよびAM(アディティブマニュファクチャリング)に関するニュースや最新事例などの情報発信を行っている日本最大級のバーティカルメディアの編集部。