サンステラ、軽量・高精度を両立したREVOPOINT製ハンドヘルド3Dスキャナー「MetroY/MetroY Pro」を国内発売

REVOPOINT 製ハンドヘルド3Dスキャナー「MetroY/MetroY Pro」(出典:サンステラ)
REVOPOINT 製ハンドヘルド3Dスキャナー「MetroY/MetroY Pro」(出典:サンステラ)

株式会社サンステラ(東京都豊島区、以下、サンステラ)は、2025年11月7日よりREVOPOINT製の新型ハンドヘルド3Dスキャナー「MetroY」および上位機種「MetroY Pro」の国内販売を開始した。従来は据え置き型の大型機器でしか対応が難しかった高精度スキャンを、可搬性の高いハンドヘルド形式で実現する準産業グレードの製品である。

価格と販売体制

MetroYの販売価格は税込196,400円、MetroY Proは税込261,800円に設定されており、いずれのモデルも初期在庫を確保済み。販売はサンステラが運営する「サンステラ3Dモール」をはじめ、正規販売チャネルを通じて行われる。

(出典:サンステラ)

製品スペックの概要

「MetroY」は、以下の3種の青色レーザー構成を持つ:

  • クロスラインレーザー × 30本
  • パラレルレーザー × 15本
  • シングルレーザー × 1本

シングルレーザーにより、深穴や狭所のスキャンも可能となっている。

上位機種「MetroY Pro」はさらに高密度な光源を備える:

  • クロスラインレーザー × 34本
  • パラレルレーザー × 15本
  • シングルレーザー × 1本
  • 構造化光(フルフィールド)× 62本

これにより、点群取得速度は最大7,000,000 pts/s(フルフィールド)、1,700,000 pts/s(マルチライン)を達成する。

両機種ともに共通する主な仕様は以下のとおり:

  • 体積精度:0.02 mm + 0.04 mm×L(m)
  • 点間距離:0.05 mm
  • 動作距離:200~400 mm
  • フルカラー対応のRGBカメラを内蔵

本製品は既存モデル「MetroX」の上位に位置付けられ、MetroXの販売も継続される。

想定される活用分野と導入効果

  • 製造業での品質検査やリバースエンジニアリング:高精度の点群データ取得により、実物からのCADモデル生成が迅速化。
  • 文化財の記録・教材作成・造形デザイン:マーカーレスかつポータブルな特性により、現地計測に最適。
  • メイカースペースや中小製造業:スキャン対象サイズが最大1,000×1,000×1,000 mmまで対応し、小型部品から試作品まで幅広い用途に適応する。

導入前後のサポート体制

サンステラでは製品導入前後の支援にも注力している。

  • 事前デモスキャン対応:東京・東池袋のショールームでは無償でデモスキャンを体験可能。また、遠方顧客向けには有償出張対応も行っている(30,000円+交通費)。
  • 購入後の講習サポート:操作説明や質問対応を含むオンライン指導に加え、有償での訪問設置講習も提供している(60,000円+交通費)。

さらに、2026年1月28日から30日に東京ビッグサイトで開催される「TCT JAPAN」では、MetroY Proの展示および実演も予定されている。

(出典:サンステラ)

メーカーと販売元の紹介

REVOPOINT(レボポイント)は2014年に設立された3Dスキャナー専門メーカー。世界各地の研究機関出身者による開発チームが在籍し、「誰でも手頃に使える3Dスキャナー」を目指して製品開発を行ってきた。現在では150カ国以上で販売実績を有する。

株式会社サンステラは、3Dプリンターおよび関連機器・材料の専門商社。海外製品の輸入販売から技術支援までを一貫して手がけ、年間2,500台以上の販売実績を持つ。正規代理店として、国内外の主要メーカーと連携した販売網を構築している。


編集部コメント

これまで高精度な3Dスキャンには、設置型の高額機器や専門オペレーターが必要とされてきた。今回発表された「MetroY/MetroY Pro」は、その壁を大きく下げる選択肢といえる。特に製造業において、品質管理やリバースエンジニアリング用途で高精度スキャンを内製化したい中小企業にとって、現実的な選択肢となり得る。


用語解説

■ ハンドヘルド3Dスキャナー
手に持って自由に動かしながら対象物をスキャンできる3Dスキャナー。大型設備を必要とせず、現地計測や狭所での作業に適している。
■ クロスレーザーライン
交差する複数のレーザー線を使って物体表面をスキャンする方式。形状の凹凸や複雑な部分も高精度に捉えられる。
■ 点群データ(Point Cloud)
スキャン対象の表面を無数の3次元座標点で記録したデータ群。3Dモデルの再構築や形状解析の元となる。
■ リバースエンジニアリング
実物の形状からCADモデルを作成する工程。図面がない部品の再製造や設計改良、検査などに用いられる。
■ マーカーレススキャン
位置合わせ用のマーカー(シール)を使わずにスキャンを行う技術。MetroYシリーズではRGBカメラとアルゴリズムによりこれを実現。
■ 構造化光(Structured Light)
規則的な光パターンを対象物に投影し、形状の歪みから立体データを取得する技術。精密な形状把握に用いられる。

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