日本3Dプリンターが旭化成の「セルロースナノファイバー強化PA」フィラメントのサンプル配布キャンペーン開始
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日本3Dプリンター株式会社は、旭化成株式会社が開発中の「セルロースナノファイバー強化PA(DX101/BX102)」フィラメントの30グラムサンプルを、申し込み先着100名に無償提供するキャンペーンを開始した。
セルロースナノファイバー強化PAとは
セルロースナノファイバー強化PA(以下、PA-CNF)は、植物由来のセルロースナノファイバー(CNF)を添加して強化されたポリアミド樹脂である。CNFは非常に細かく軽量でありながら高い強度と剛性を持つのが特徴だ。
旭化成のCNFは、綿実油を作る際の副産物である非食用植物由来のコットンリンターを原料としており、木材由来のCNFに比べて耐熱性が高く、高温のポリアミドに複合化できる特性を有している。また、旭化成独自の技術により、凝集しやすいCNFを樹脂にナノ分散させることで、造形時の安定性や寸法精度を保ちながら層間密着性にも優れた材料となっている。
PA-CNFフィラメントの特長
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PA-CNFフィラメントは、以下の特長を備えている:
- 優れた耐熱性:高温下でも形状を維持しやすい。
- ノズルの損耗が少ない:繊維が小さく柔らかいため、他の繊維強化フィラメントと比較してノズルの摩耗が少なく、強化ノズルが不要。
- 造形安定性と寸法精度:揺変性(チキソトロピー性)が高く、造形時の安定性が高い。
キャンペーン概要
本キャンペーンでは、開発中のPA-CNFフィラメント2種類(DX101、BX102)を各30グラムずつ、申し込み先着100名に無償提供する。サンプルの申し込みは、キャンペーン特設サイト(https://3dprinter.co.jp/asahikasei-pa-cnf-cp)から可能‘だ。申し込みには「重要確認事項への同意」が必要となる。
今後の展望
PA-CNFフィラメントは、FFF方式の3Dプリンターに適した特性を有しており、今後、教育機関や企業における試作・開発用途での活用が期待される。旭化成と日本3Dプリンター株式会社は、本サンプル配布を通じてPA-CNFの可能性を広く知ってもらい、製品化に向けた市場調査とフィードバック収集を進めていく予定だ。
2019年のシェアラボニュース創刊以来、国内AM関係者200名以上にインタビューを実施。3Dプリンティング技術と共に日本の製造業が変わる瞬間をお伝えしていきます。