オフィスに置けるコンパクトなトップダウン式光造形3Dプリンター「B-SLAシリーズ」が販売開始-Bfull
愛知県に本社を構え、フィギュアの製造、3Dプリンターの導入や保守メンテナンス、受託製造などを行うBfull社が、オフィスに設置可能なトップダウン式の光造形(SLA)3Dプリンター「B-SLAシリーズ」の販売を開始した。価格は小型モデルの「B-SLA 180」が1,980,000円(税込)、大型モデルの「B-SLA 300」が4,730,000円(税込)。
(画像はBfull社の新型3Dプリンター「B-SLA300」と「B-SLA180」 出典:Bfull社)
業務用3Dプリンター同様のトップダウン方式
「B-SLAシリーズ」は樹脂素材に紫外線を与えて硬化させるSLA方式の3Dプリンター。2機種のうち大型モデルの「B-SLA 300」でも本体サイズが625mm×500mm×1140mmとオフィスにも設置可能なコンパクトなモデルだ。
性能としての大きな特徴は、コンパクトなサイズでありながらも業務用3Dプリンターに多い「トップダウンプリント方式」が採用されている点だ。
トップダウンプリント方式は、重力や剥離力の影響を避けるために、硬化するモデルを引き上げるのではなく、樹脂に沈めるもの。ボトムアッププリント方式と呼ばれる下から上にプレートが上がり、吸引しながら樹脂に赤外線を照射し積層して固めていくものとは逆で、上から下にビルドプレートが下がっていく。
B-SLAシリーズは、トップダウンプリント方式を採用されているため、造形失敗リスクを最小限にし、高精細な造形を安定して出力することが可能だ。
デザイナーやエンジニア向けの3Dプリンター
オフィスに設置可能なサイズの3Dプリンターの「B-SLAシリーズ」がターゲットとするのは、さまざまな製品開発に携わるデザイナーやエンジニアだ。オフィスにいながら業務用3Dプリンターと同様のクオリティでプロトモデルの出力が可能になれば、新製品の開発スピードの大幅な向上が期待できる。
Bfull社によれば、B-SLAシリーズには、これまで3Dプリンターのコンサルタントとして約40種477台の3Dプリンターを活用した経験をもとに、デザイナーやエンジニアに必要な要素が盛り込まれているとのこと。
価格は同サイズの業務用トップダウンプリント式SLA3Dプリンターと比較して、約半額と導入しやすい。また、一般的な3Dプリンターであれば手間がかかる材料の切り替えが、タンクごとに可能で容易にできる。また材料の抜き取り作業が不要になることで時間と材料コストの削減ができる。
さらに、運用開始時は設置と初期トレーニングを実施、SLA3Dプリンターの技術者が保守を担当するなど、アフターフォローも充実している。
B-SLA 180 / B-SLA 300のスペック
各機器のスペックは以下の表の通り。
Bfull社は、先日中国3Dプリンター製造大手のZRapid社と提携し、導入1台目に適した業務用光造形3Dプリンター「ZRapid iSLA by B’full」を発売したばかりだ。大型のものが造形可能な業務用プリンターと、今回販売が開始されるコンパクトサイズのオフィス用B-SLAシリーズ。この2機種が今後のBfull社の大きな柱となることだろう。
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