写真が3Dモデルに! A4サイズのデスクトップ3Dプリンター「KOKONI3D」
クラウドファンディングサイト「machi-ya」に登場した、デスクトップ3Dプリンター「KOKONI3D」が注目を集めている。組み立てや設定が不要で、写真から3Dモデルが作製できるA4サイズの3Dプリンターであるのが特徴。一般販売予定価格は 51,800円。熱で溶かしたフィラメント樹脂を積層して造形するFDM(FFF)方式の3Dプリンターだ。(画像は3Dプリンター「KOKONI 3D」 出典:RUTAWA JAPAN INC)
「KOKONI3D」の特徴
3Dプリンター「KOKONI 3D」への出資をクラウドファンディングサイトで募集したのは、大阪に本社を構える貿易会社でKOKONI 3Dの日本総代理店を務めるルタワジャパン株式会社だ。
KOKONI 3Dの最大の特徴は2Dの写真から3Dモデルを作製できる点にある。通常、3Dプリンターで造形を行う場合、3Dデータが必要になる。しかし、3Dデータが不要になれば、実物の3Dスキャンなども行わずに3Dモデルが作製可能だ。写真から3Dモデルを作製するには、あらゆる角度から撮影した20枚以上の写真が必要にはなるが、3Dモデル作製への最も大きな壁であるデータ準備を3Dスキャナー付き3Dプリンターで解消することをねらった意欲作だ。実際のスキャニング・プリンティング精度が気になるところだが、こうしたコンセプトはさらに多くのユーザー層を切り開くことができる可能性がある。
家庭での使用を想定し、手軽さを追求したKOKONI 3Dは設定と組み立てが不要な点も特徴的だ。プリンターの組み立てに加えて、通常はプリント前に行う必要がある創作台のセッティングも不要となっている。また、3Dモデルを造形するための樹脂素材は、タンクに設置することで自動的に供給される。紙に文字や画像を印刷する通常のプリンターのように手軽に3Dモデルが造形できるので、家庭で趣味として簡単に3Dプリントを楽しみたいというニーズをしっかりと満たしていると言えるだろう。
さらに、A4サイズに収まるコンパクトさも魅力だ。デスクに置いても圧迫感がない。操作はアプリで行えUSBも不要、静かな動作音のため深夜の使用でも騒音を気にすることなく造形が行える。自身のデータからだけでなく、あらかじめ用意された無料のモデルライブラリから好きなものを選んでのプリントも可能だ。
KOKONI 3Dの登場により、家庭で3Dプリンターを使ってみたいが3Dデータが用意できない層や、実物しかないケースにも対応できるようになる。クラウドファンディングは既に終了しているが、一般販売が始まれば、家庭用3Dプリンターのエントリーモデルとして候補の筆頭になるかもしれない。
産業用3DプリンターでもニコンのDED方式金属3Dプリンター「Lasermeister」シリーズには、3Dスキャナーを搭載し、セットした部品を自動で捕捉し、表面の金属加工を行う機能を備えた機種があるが、実際の加工現場のニーズを踏まえた装置の発展は、産業用装置でも取り組まれていく可能性がある。
ShareLabNEWSでは今後も新たな3Dプリンターの情報に注目していく。
これまでShareLabNEWSが取り上げてきた樹脂をプリント素材とする3Dプリンターについては、以下のリンクにまとめてある。こちらもぜひ参照してほしい。
https://news.sharelab.jp/category/3dp-news/plastics-3dprinter/
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