Massivit 3D、新・大型3Dプリンター「Massivit 5000ウルトラ」をリリース
イスラエルの大型3DプリンターメーカーのMassivit 3Dが、大型3Dプリンター「Massivit 5000ウルトラ」をリリースする。(画像は、Massivit 3D公式サイトより引用)
目次
産業用途のMassivit 5000ウルトラのコア技術・新機能について
Massivit 5000は、造形サイズ1450 x 1110 x 1800mmの大型3Dプリンターである。主に、自動車、造船、鉄道などの産業ユーザーによる利用を想定している。また、Massivit 3Dの従来のシリーズよりも、スループットが最大で30倍になったとしている。
同製品には、独自のゲルディスペンシング印刷(GDP)テクノロジーが用いられている。FFF(熱溶解積層方式)とマテリアルジェッティング方式のクロスである同技術は、フォトポリマーゲルを高速で押し出し、UV光の下で固体層に硬化させることで機能する。その結果、プロトタイピングや産業用工具の用途に適した、ほとんどサポート部材のない大型部品を製造することができる。Massivit 5000は、この実証済みのGDPテクノロジーに基づいて、高性能3Dプリンターの先駆けとなるように設計されているとのこと。
また同社は、ユーザーが使える2つの新しい印刷モードである高速モードおよびHDモードを導入している。高速モードはより厚い層で印刷し、最大スループット(300mm / s)を実現するために用いられる。HDモードは、寸法精度が重要な高性能部品に推奨されている。
さらに、Massivit 5000には、2つあるプリントヘッドにカメラを向ける新しい自動プリンティング監視システムが付属している。造形の途中で、このシステムを用いることでレイヤーの高さやパーツの解像度などの印刷パラメータをリアルタイムで変更し、必要に応じて造形速度と品質の両方を最適化することが可能となっている。
製造スピード、製造サイズ、精密性などの限界に直面しているすべてのメーカーの問題を解決するため、この新たなアディティブ・マニュファクチャリングシステムをご提供できることに興奮しています。このシリーズは、多くの産業セクターにおいてモノづくりをトランスフォームするという我々のロードマップにおける重要なマイルストーンです。
Massivit 3D エレズ・ツィマーマンCEO
Massivit 3Dによる製品ローンチウェビナーも開催されているので、ぜひ以下よりご覧いただきたい。
培養リブアイステーキ肉から人の心臓まで―3Dプリンティング活用が盛んなイスラエル
Massivit 3Dは、イスラエルに本社を構えるメーカーだ。同社の他にも、イスラエルにおいてはさまざまな3Dプリンティング活用の動きが見られる。
3Dプリンター大手であるストラタシス本社もイスラエルにある。また、最近においてはイスラエルのフードテックスタートアップ、アレフ・ファームズ(Aleph Farms)とイスラエル工科大学が、3Dバイオプリンティング技術を用いた培養リブアイステーキ肉を世界で初めて開発している。テルアビブ大学(Tel Aviv University)の教授、タル・ディビール(Tal Dvir)氏がプロジェクトリーダーを務める医学プロジェクトでは、世界初となる細胞や血管、心室、心房が備わった3Dプリンター製の心臓を公開している。
Massivit 3Dについて
2013年設立の3Dプリンターメーカー。イスラエルのロド市に拠点を置き、設立当初より造形サイズ1立方メートルを超える大型3Dプリンターを製造している。同社の製品は、自動車や航空宇宙などの産業セクターのユーザーに加え、映画製作や広告代理店、展示会関連企業などさまざまな企業が利用している。
また以前、同社製のMassivit 18003Dプリンターを用いてルイ・ヴィトンのポップアップショップが建設されたこともある。ポップアップショップは48の部品で構成され、部品の製造に二週間、アセンブリーはわずか三日で行われた。
国内ではセルカム株式会社、アルテック株式会社などが代理店として同社の製品を販売している。
関連情報
3Dプリンタ―の”先進っぽさ”を感じさせる作りに男心をくすぐられる毎日。さまざまな業界にて活用されるアディティブ・マニュファクチャリングの今をお届けします!最近のニュースは、鳥を飼い始めたこと。