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スワニーが金型レス量産サービスを開始

スワニーは本社工場内にクリーンルームと3Dプリンターを設置し、受託量産サービス「Hybrid Factory」を提供開始した。(写真は新設したCarbon社製3Dプリンターとクリーンルーム。出典:スワニー)

スワニーのデジタルモールド技術

3Dプリンティングは、製品の細かな仕様変更に素早く対応でき、小ロットの製品製造に向いている。

逆に、大量生産をする際には、コストと時間の両面で金型鋳造に軍配が上がる。つまり、量産には向かない。これは3Dプリンティングの常識だった。

この常識を覆したのが、スワニーのデジタルモールド技術だ。

デジタルモールドは、部品製造のための金型を3Dプリンティングで作る。金型製造に掛かるコストも時間も大幅に短縮できる画期的な取り組みだ。

もちろん3Dプリントした樹脂性の金型は、耐久性や精度の面で従来の金属性金型に及ばない。しかし、協業していたメーカーが撤退した場合など、供給責任は残っているが、金型を一から作れば確実に赤字が出る、というような状況で大変役に立つ。

他にも、細部を変えつつ多様なバリエーションの製品を作りたい場合など、複数の金型を持ちたい場合に有効だ。

スワニーは3Dプリントが本来持つ小ロット生産の強みだけでなく、量産体制の構築までを幅広くサポートし、モノづくりのデジタル化を推し進める。

スワニーはデジタルデータの取り扱いに関しても先進的な取り組みを進めている。製造したデジタルモールドは3Dスキャナで計測し、丸紅情報システムズが保有するデジタルサーバーに保管される。高いセキュリティを確保すると共に、利用者がアクセスしやすい環境を作り、データの取り扱いを効率化した。

データの損失を回避しながら、着実に技術を積み上げることができる。

話題のAMで作る樹脂型「デジタルモールド®」に関して丸紅情報システムズに聞いてみた―丸紅情報システムズ

Hybrid factory

スワニーは、受託量産サービス「Hybrid Factory」を開始した。3Dプリンターを使った受託生産サービスに多く見られる小ロットの生産だけでなく、量産も見据えた委託生産ができる点が特徴だ。こうした体制は、スワニーがこれまで育ててきた技術や、3Dプリンティングに関するノウハウ蓄積の結果と言えるだろう。

スワニーは、これまでにもストラタシス社などの3Dプリンターを数多く導入していたが、新たにCarbon社製3Dプリンターと、クリーンルームを導入した。

同時に、Carbon社の「CPN (Carbon Production Network)」に参画している。CPNは、Carbon社が提供する材料、ソフトウェア、保全サービスなどを統合したプラットフォームだ。CPNは、AddidasやFordなどの世界的企業も参画しており、製品の迅速な生産、量産体制の確立に寄与する。

ドローン製作に協力

スワニーが製作したドローン、unica
ドローン 「unica」 (出典:スワニー)

スワニーは、本サービスに関するデモンストレーションとして、6/22から東京ビッグサイトで開催された次世代3Dプリント展にて、JSR株式会社のブースに出展協力を行った。

JSRの出展ブースでHybrid Factory活用事例として展示されたのは、株式会社ドローンショーが製作するドローン「unica」の筐体パーツだ。このドローンは、東京オリンピックでも注目を集めたドローンによる空中イルミネーションを目的としている。

Hybrid Factoryの3Dプリント技術を活用することで、強度を保ちつつ、ドローン重量を約30%低減することに成功した。また、3Dプリンターを活用することで、これまでより自由な設計が可能となり、風力抵抗の低減に成功している。

関連情報

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