世界初の試み、3Dプリンター製の樹脂窓枠を実装
ExtraBold社とセレンディクス社が発表したところによると、両社は世界初となる3Dプリンターで製造された樹脂製の窓枠を造形した。デザインの柔軟性を高め、生産コストを削減することが目的で、大型3DプリンターEXF-12を使用し、住宅材料への応用を推進している。(上部画像はコンクリート製の3Dプリンター住宅「serendix10」とExtraBold社の大型3DプリンターEXF-12。出典:ExtraBold社、セレンディクス社)
目次
プロジェクトの概要
このプロジェクトは、株式会社ExtraBoldとセレンディクス社が協力して実施した取り組みであり、3Dプリンターを活用して樹脂製の窓枠を製造し、それを建築材料として実装することが目的である。使用されたのは、ExtraBold社が開発した大型3Dプリンター「EXF-12」だ。セレンディクスはこれまでもコンクリート材料で建物の躯体を造形してきたが、窓枠や内装材などで大型造形が可能な樹脂3Dプリンターを活用することで、デザインの自由度が大幅に向上するとともに生産コストの削減が可能となる。協業が本格化すれば、短時間での住宅用部材のカスタマイズ生産が実現可能となり、より効率的な生産体制が構築されていくことだろう。
実装のプロセスと展望
プロジェクトの実装プロセスは、初期の設計段階から始まり、樹脂を用いた3Dプリント技術の最適化、独自のデザインが施された窓枠が製造され、実際の建物に取り付けるテストが進行中である。この技術が広く普及することで、カスタマイズ可能な建築材料の新市場が開拓され、建築業界の生産性向上及び環境への影響が軽減されることが期待されている。
ExtraBold社 代表取締役CEO- 原 雄司 氏のコメント
セレンディクス社の飯田COOのビジョンに深く共感し、そのビジョンに寄与できることを光栄に思います。3Dプリンティングやロボティクス技術を活用して「世界最先端の家で人類を豊かにする」というコンセプトは、技術の力で社会にポジティブな影響をもたらすことができるという私たちの信念と一致しています。この協力関係を通じて、私たちExtraBoldはセレンディクス社のプロジェクトに特別な窓枠を提供するだけでなく、リサイクル材料やバイオプラスチックなどの持続可能な材料を活用した内装の開発にも力を入れていく予定です。これからも両社の技術とリソースを組み合わせ、持続可能な住宅解決策を提供し続けることで、より良い未来を築いていきたいと思います。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000023.000057483.html
セレンディクス社 執行役員COO 飯田 國大 氏のコメント
セレンディクスは「住宅産業の完全ロボット化」を最終目標としています。窓をはじめとする多くの住宅建材は、工業規格化を行うことで大量生産を可能にし、低価格化を実現してきました。一方で、その規格に合わせてデザインを考える必要があり、当社の3Dプリンター住宅においても、設計の自由度を下げる要因の一つでした。また3Dプリンター住宅は24時間施工を実現していますが、常に窓やドアの納品に数ヶ月かかるため、施工までのスピード感を妨げていました。ExtraBold社の協力は、新たなテクノロジーである3Dプリンター建築の可能性をさらに広げるものであり、よりワクワクする住宅開発を強力にサポートするものとして大いに期待しています。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000023.000057483.html
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