炭素繊維入りフィラメントを超える強度のCNFとポリアミド複合材料を開発 - 旭化成
旭化成は、再生可能な植物由来のセルロースナノファイバー(以下、CNF)と高耐熱性を持つポリアミドを複合化した新素材を開発した。この革新的な複合材料は、積層密着性に優れ、炭素繊維入りフィラメントに匹敵する、あるいはそれ以上の強度を持ち、自動車や航空宇宙、電子機器など多くの産業分野での応用が期待される。また、バイオ原料の使用と3Dプリンター技術の活用により、部品の軽量化と材料削減を実現し、環境負荷の低減にも大きく貢献する。(上部画像は「CNFコンポジット3DP材料」出典:旭化成)
特徴と利点、製造プロセス
今回の旭化成のCNFとポリアミド複合材料は、いくつかの顕著な特徴と利点を持つ。まず、CNFの強度とポリアミドの耐熱性が組み合わさることで、極めて高い機械的特性と耐熱性を実現。さらに、軽量でありながら高い強度を保持しており、製品の軽量化が求められる分野に最適である。
応用分野、環境負荷低減、炭素繊維入りフィラメントを超える性能
また、その優れた特性により、さまざまな産業分野での応用が期待されている。まず、自動車産業では、軽量で高強度な部品が求められるため、エンジン部品や構造部材としての利用が進んでいて、電子機器分野では、耐熱性が重要視される内部部品やケースに使用され、製品の信頼性と耐久性を向上させる。建築資材としても、軽量で強度が高いため、構造材や外装材としての利用。航空宇宙分野では、機体の軽量化が重要な課題であり、この複合材料が機体部品や内部構造材として貢献することが期待されている。
さらに、バイオ原料の活用と3Dプリンター技術の組み合わせにより、環境負荷の低減に大きく貢献している。CNFは、再生可能な植物資源から得られるため、持続可能な素材であり、カーボンフットプリントの削減に寄与する。3Dプリンター技術を使用することで、部品の軽量化と材料の効率的な利用が可能となり、製造過程での廃棄物を大幅に削減することができる。
そして、その強度において炭素繊維入りフィラメントを超える性能を示している。ナノスケールのCNFをポリアミドに分散させることで、樹脂への補強効果に加え、造形時の高い積層密着性を発現し、炭素繊維入りフィラメントと同等以上の3Dプリンター造形強度を実現している。
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