Coperni、アリエルのスワイプバッグを水中ゲル内で3Dプリント
フランスのファッションブランドCoperniは、2024年10月1日にディズニーランド・パリで行われたSS25ショーで、3Dプリント技術を使った「アリエル スワイプバッグ」を発表した。これまでにもCoperniは、NASAのシリカエアロゲルを用いて99%が空気で構成されたスワイプバッグを世に送り出すなど、常に斬新なデザインで注目を集めてきた。今回のプロジェクトでは、MIT発の企業「Rapid Liquid Print」とのコラボレーションにより、リサイクル可能なシリコンを使用してアリエルをイメージしたスワイプバッグが製作された。バッグのプリントは、水をベースにしたゲルの中で行われ、ディズニーランド・パリというアリエルにとって象徴的な場所でその完成品が披露された。(上部画像は「アリエル スワイプバッグ」出典:Coperni)
リサイクルシリコンを使用した水中ゲル内での3Dプリント
Coperniが公開した映像では、3Dプリントの詳細なプロセスが映し出されている。プリントは、リサイクル可能なシリコンを水を基にしたゲルの中で行うという特殊な方法が採用されており、ゲルがシリコンの動きを固定し、安定した形状を保つ役割を果たしている。極細の針を備えたノズルがゲルの中に入り込み、アリエルの象徴的な青いシリコンを一層ずつ積み重ねることで、スワイプバッグが少しずつ形を成していく。
プリントが最後の段階に達すると、機械はバッグのハンドル部分の端を接合し、デザインが完成する。このプリンターは「Rapid Liquid Print」の技術を使用しており、バッグはプラチナ硬化シリコンとリサイクルシリコンで作られている。この3Dプリント技術は、従来の層を積み重ねる方式とは異なり、水中ゲル内で物体を描くように形成していくというユニークな手法である。
「無害な素材」を使用して、柔らかく伸縮性のある製品を製造
Coperniは、ゲル内での3Dプリント技術によって、柔軟で伸縮性のある製品の製造が可能になると説明している。この技術は「重力の制約を受けない」ため、従来の方法では困難だった独自の形状や質感を再現できるのが特徴だ。また、アリエル スワイプバッグを含む製品には「無害な素材」が使われており、環境への配慮も意識されているという。
さらに、Coperniによると、このプリント技術のおかげで、複雑な後処理を施す必要がなく、プリントが完了したバッグはすぐに使用可能な状態になるという。
新技術の関連記事
今回のニュースに関連するものとして、これまでShareLab NEWSが発表してきた記事の中から3つピックアップして紹介する。ぜひあわせてご覧いただきたい。
国内外の3DプリンターおよびAM(アディティブマニュファクチャリング)に関するニュースや最新事例などの情報発信を行っている日本最大級のバーティカルメディアの編集部。