【新製品】造形後の安全性まで確認された高性能フィラメント「PEN Natural」販売開始 ― 日本3Dプリンター

2026年2月3日
出典:日本3Dプリンター
出典:日本3Dプリンター

企業・教育機関向けに3Dデジタルソリューションを展開する日本3Dプリンター株式会社(東京都中央区、以下、日本3Dプリンター)は、FLXR Engineering社製の高性能フィラメント「PEN Natural(ペン ナチュラル)」の販売を開始した。

本製品は、医療・食品・化学分野など規制要件が厳しい領域で課題となってきた「材料認証」と「造形物としての安全性評価」のギャップを埋めることを目的に開発されたフィラメントである。原材料段階ではなく、実際に3Dプリントされた試験片(造形物)において国際的な認証試験をクリアしている点が特徴となる。

「材料」ではなく「造形物」で安全性を示す新アプローチ

医療や食品用途では、ペレットなど原材料が認証を取得していても、積層造形プロセスを経た最終造形物が同等の安全基準を満たすとは限らない。この不確実性が、3Dプリンター活用拡大の障壁となってきた。「PEN Natural」は、造形後の試験片においてUSP(米国薬局方)やISO規格などの厳格な試験を通過しており、最終製品や治具への導入を検討しやすい材料として位置づけられる。

出典:日本3Dプリンター
出典:日本3Dプリンター
出典:日本3Dプリンター
出典:日本3Dプリンター
出典:日本3Dプリンター

※各規格への適合は用途における安全性を保証するものではなく、試験条件や適用範囲の確認が必要である。

国際規格への適合(生体・食品接触)

「PEN Natural」は以下の規格において適合性が確認されている。

  • USP <88> Class VI(生体反応性試験)
  • USP <87>(細胞毒性試験)
  • ISO 10993-4(血液相互作用)および -10(刺激・感作)
  • FDA 21 CFR 177.1637(食品接触)
  • 日本の食品衛生法に基づく食品接触安全性

添加剤を用いない高純度と低抽出性

添加剤や酸化防止剤を使用しないバイオテクノロジー製法により、抽出性は0.4 mg/m²と極めて低い水準を実現している。最大24時間の皮膚・生体組織接触や、間接的な血液接触にも対応可能な高い生体適合性を備える。

耐薬品性・耐熱性と滅菌処理への対応

酸、塩基、有機溶媒、アルコールに対して高い耐性を持つほか、以下の滅菌処理後も寸法安定性を維持する。

  • オートクレーブ
  • エチレンオキシド(EtO)
  • ガンマ線
  • 電子線

繰り返し洗浄や滅菌が求められる環境でも使用可能である。

半透明素材による視認性

半透明の素材特性により、マイクロ流体デババイスや薬液タンクなどで内部の流れや液面レベルを確認しやすい点も特徴となる。

想定される用途

  • バイオ・医療分野:マイクロ流体チップ、サージカルガイド、骨セメントモールド
  • 食品産業:食品加工装置部品、生産ライン治具、ロボットハンド
  • 化学工業:耐薬品性タンク、実験器具、使い捨てノズル

製品概要

  • 製品名:FLXR Engineering PEN Natural
  • 型番:KN-R16-1K
  • 容量:1kg
  • カラー:Natural(半透明)
  • Raise3D対応機種:Raise3D E2、Pro2、Pro3、Pro3 HS、E3
  • 専用プロファイル(binファイル)提供あり

製品詳細ページ:https://www.raise3d.jp/ofp/pennat

シェアラボ編集部コメント

産業用途で3Dプリンター材料を選ぶ際、これまでは「材料としての認証」はあっても、「造形物としての安全性」をどう示すかが大きな課題であった。PEN Naturalは、造形後の試験片で規格適合を確認している点が重要であり、医療・食品・化学といった規制産業での3Dプリント活用を一段進める材料として注目される。

用語解説

■ USP Class VI(生体適合性試験)
米国薬局方(USP)が定める生体反応性評価の規格であり、医療用途で材料が生体に与える影響を確認する試験区分の一つ。Class VIは最も厳格な分類とされる。

フィラメントの関連記事

国内外の3DプリンターおよびAM(アディティブマニュファクチャリング)に関するニュースや最新事例などの情報発信を行っている日本最大級のバーティカルメディアの編集部。

関連記事を探す

記事検索

1894の記事から探す

最新記事

編集部のおススメ記事