【TCT Japanみどころ】大阪の町工場が自社開発した樹脂3Dプリンターが凄い―久宝金属製作所
やはり日本のものづくりの底力は中小企業のバイタリティにある。そんな印象を強くもったのが久宝金属製作所の「Qholia」だ。この樹脂3Dプリンターは大阪の金属加工業は久宝金属製作所の社長自ら開発した樹脂3Dプリンターで、「世界初!0.1mmノズル」をラインナップしている。工業用デスクトップ機としては、価格帯は32万4000円~と導入しやすい価格だが、すでに大学、研究機関、上場企業など幅広い導入実績を持つ。
Qholiaは開発者本人のサポートが特徴の日本製3Dプリンター
一番凄みを感じる点が、「開発者自らがサポート」とうたっている点だ。自らのモノづくりにせ菌を持つという自負と責任感を感じさせる。製造者と近い事だけがQholiaの特長ではもちろんない。非常に大きな特徴としては、最小ノズル径が0.1㎜径という細さであることは特筆するべき点だろう。
フィラメント線径は、通常販売されている最小径と位置付けられてきた0.2㎜の半分ということで、かなり細い。積層する際に、線径が細いフィラメントほど、より細かく精緻な造形が可能になる。
0.1㎜のノズルはテクダイヤ社が開発したということで、これにより、0.1㎜、0.15㎜、0.2㎜、0.3㎜、0.4㎜、0.5㎜のノズル径を選択できるようになるということだ。(0.1㎜、0.15㎜のノズルはオプション扱いのようだ)
テクダイヤは医療用試薬塗布や半導体部品組み立て時に微細な対象物に対して接着剤などを塗布できるディスペンサーノズルの開発で実績がある。そのノウハウを活かして、開発に臨んでいる模様だ。
精密造形を可能にするためのノズルの重要性に関して、テクダイヤ社サイト内で平易に説明されており、ノズル内部の段さ、表面粗さ、先端角度、内径に関して他社比較などもされており大変興味深い。
2019年のシェアラボニュース創刊以来、国内AM関係者200名以上にインタビューを実施。3Dプリンティング技術と共に日本の製造業が変わる瞬間をお伝えしていきます。