清澄製銀、ロンドン「Code & Craft」で新作ジュエリー発表

独自開発の3Dプリンタ及びシステムによる指輪。

ファッションテックスタジオdot-hzmが手がけるジュエリープロダクト「清澄製銀」が、CLUSTER LONDONのキュレーションにより選出され、ロンドン・コヴェントガーデンで開催されるアートフェア「Code & Craft」に出展することが決定した。本展においては、独自の3Dプリンティング技法とクラフトを融合させた新しいジュエリー作品が公開される予定である。(上部画像は独自開発の3Dプリンタ及びシステムによる指輪。出典:dot-hzm)

CLUSTER LONDONとは

CLUSTER LONDONは2016年にロンドンで始動したアートフェアである。ジュエリーや工芸、写真、版画など、ジャンルを横断したクリエイターが集い、作品を発表する国際的なプラットフォームとして定評を得ている。参加者は新進気鋭のアーティストから実力派デザイナーまで幅広く、世界的メディアであるForbesやDezeenとも連携し、活動の様子は広く発信されている。アートとデザインの新しい潮流を探る場として、近年ますます注目を集めているイベントである。

清澄製銀の挑戦

清澄製銀は、dot-hzmが展開するジュエリープロダクトとして誕生した。ブランドの特徴は、デジタルテクノロジーとクラフトマンシップを融合させる姿勢にある。従来のジュエリー制作は、金属加工や彫金といった伝統技術に大きく依存してきた。しかし清澄製銀は、3Dプリンティング技術を積極的に取り入れることで、新たな造形表現を実現してきた。

独自開発の3Dプリンタ及びシステムによる指輪制作の様子
独自開発の3Dプリンタ及びシステムによる指輪制作の様子。(出典:dot-hzm)

同ブランドが活用する3Dプリントは、単なる試作の道具ではなく、作品の最終形態を形づくる核となる技術である。複雑な曲線や繊細なテクスチャは、デジタルによる設計と積層造形によって初めて可能になる表現であり、その後の手作業による仕上げによって唯一無二の輝きを獲得する。まさにテクノロジーとクラフトの共演が清澄製銀の魅力である。

新作の制作風景
新作の制作風景。(出典:dot-hzm)

Code & Craftが描き出すテーマ

今回のアートフェアのテーマである「Code & Craft」は、プログラムと手仕事の交差点を探求するものである。プログラムによって形が生成され、3Dプリンターがバイオプラスチックや砂、粘土などの素材を用いて彫刻を施す世界が提示される。本展は、デジタルツールが「どのように作るか」に留まらず、「何を作るのか」という問いにまで影響を与える様子を示す場となる。

この視点は、ジュエリーを含む多様な工芸分野において新しい方向性を提示するものである。従来は相反するものと考えられがちであったデジタルとクラフトが、互いを補完し合いながら新しい美意識を形づくっていく様は、アートとデザインの将来像を考える上で重要な意味を持つ。

新作コレクションへの期待

清澄製銀が発表する新作は、従来のラインをさらに進化させた作品群になると見られている。3Dプリントによる緻密な構造体の上に、クラフトによる手作業が加わることで、これまでにない質感や表情が実現される。ジュエリーとしての装飾性に加え、テクノロジーの象徴としてのメッセージ性も備えたコレクションになるだろう。

ブランドにとっても、本展は国際的な舞台で作品を披露する絶好の機会である。ロンドンはファッションやデザインの発信地として世界的に影響力を持つ都市であり、そこでの発表は清澄製銀の存在感を強く印象づけるものとなる。

開催概要 / Exhibition Details

  • 名称 / Title:Code & Craft
  • 会期 / Dates:2025年11月28日(金)〜11月30日(日)
  • 会場 / Venue:The Swiss Church, Covent Garden, London

今後の展望

清澄製銀が示すように、3Dプリンティング技術とクラフトの融合は、今後のジュエリー表現を大きく変える可能性を秘めている。効率性や精度を追求するだけでなく、アーティストの思想や文化的背景をも形にする手段となり得る。Code & Craftを通じて提示されるビジョンは、単なる展示を超え、次世代のものづくりに対する提言となるだろう。

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