竹中工務店、大阪・関西万博に「森になる建築」を3Dプリント技術で提供
株式会社竹中工務店が2021年から開発を進めてきた「Seeds Paper Pavilion(シーズペーパーパビリオン)」は、2025年の日本国際博覧会(大阪・関西万博)で未来社会ショーケース事業の一環として「森になる建築」として出展されることが決定した。このパビリオンは、博覧会の会期中である2025年4月13日から10月13日まで、来場者が休憩などに利用できる仮設建築物として提供される予定である。2024年8月に着工し、現地での3Dプリント技術を用いて建設される。完成は2025年4月を目指しており、万博開催時には全ての準備が整う見込みである。(上部画像は「森になる建築」の完成イメージ。※現時点の想定であり、今後の技術開発等により変更する可能性がある。出典:竹中工務店)
「Seeds Paper Pavilion(シーズペーパーパビリオン)」
「Seeds Paper Pavilion(シーズペーパーパビリオン)」は、竹中グループが2020年から2021年にかけて実施した「日本国際博覧会(大阪・関西万博)パビリオンに関するアイデア」提案コンペで、最優秀賞に選ばれたものである。このパビリオンは、使用後に廃棄される建築物ではなく、建築そのものが種となり、最終的には森へと還る未来の建築を描いている。3Dプリント技術と手作りを組み合わせたこのプロジェクトは、持続可能な建築の新しい形を提案するものである。昨年5月から千葉県印西市の竹中技術研究所で大型3Dプリンターを使った試験を開始し、今年4月には実物サイズの出力試験に成功した。未来の建築としての「Seeds Paper Pavilion」の実現に一歩近づいたと言える。以下は竹中工務店公式YouTube Channelによるコンセプト動画。
「森になる建築」
「Seeds Paper Pavilion」は、大阪・関西万博において「森になる建築」として登場する。この建築物は、2025年日本国際博覧会における建築基準法第85条第7項の規定に基づく仮設建築物で、直径4.65メートル、高さ2.95メートルの2棟が会場内に設置される。使用する材料には、ダイセルの生分解性と透明性を持つ酢酸セルロース樹脂「CAFBLO」が選ばれている。これを3Dプリンターで構造材として造形し、外装材は各種イベントで制作された手すきの和紙や植物で構成する予定である。このプロジェクトは、生分解性樹脂を用いた3Dプリント建築物としては世界最大規模となる見込みである。
建築地 | 万博会場敷地内 大地の広場 |
設計施工 | 竹中工務店 |
工事期間 | 2024年8月~2025年4月 |
大きさ | 直径4.65m、高さ2.95m |
棟数 | 2棟 |
構造 | 酢酸セルロース造 |
主要仕上材 | (外装)紙、植物の種子・苗 (内装)酢酸セルロース表し (床)三和土 |
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