Lib Work、土を主原料とする3Dプリンター住宅の特許取得 2,000万円台モデルで普及拡大へ

2026年3月12日
出典:Lib Work

Lib Workは決算説明会の中で、同社が開発する3Dプリンター住宅の特許取得と販売開始について説明した。土を主原料とする住宅技術で特許を取得し、2026年1月から販売を開始。さらに2,000万円台のスタンダードモデルを開発し、普及拡大を狙う方針を示している。

建築基準法改正で売上は減少も受注は堅調

Lib Workの2026年6月期中間決算では、売上高は68億9,900万円となり、前期の80億7,000万円から14.5%減少した。背景には2025年4月の建築基準法改正がある。従来は比較的短期間で許可が取得できた確認申請が、現在は1カ月半から2カ月程度かかるケースもあり、工期の長期化によって売上計上のタイミングが後ろ倒しとなっている。ただし受注状況は比較的堅調で、上期の受注は前期比で約10%増となっている。売上の期ずれが主な要因であり、下期以降の回復を見込んでいるという。

土を主原料とする3Dプリンター住宅

同社が開発している3Dプリンター住宅は延床面積100平方メートルで、国内最大級の規模とされる。建築確認申請を経て許可を取得しており、日本国内で建築可能な住宅として開発が進められている。特徴は主原料に土を使用している点である。セメントを使用しないため、将来的な解体時には現地で処理が可能であり、CO2排出量も一般的なコンクリート住宅の約半分に抑えられるとしている。耐震性能は耐震等級3を確保しており、現在は風圧試験や散水試験、耐火試験などの検証も進めている。

特許取得と海外からの関心

同社は2025年夏にこの住宅技術を特許出願し、約半年で特許を取得した。特許には土を用いた3Dプリンター住宅と素材技術が含まれており、同分野での知的財産を確保した形となる。モデルハウス公開以降、問い合わせは国内外で約1,800件に達した。住宅建築だけでなく、事業提携やフランチャイズ、海外導入の相談も多いという。特に東南アジアでは施工品質のばらつきや工期管理の課題があり、3Dプリンター建築への関心が高まっている。同社は現地デベロッパーとの協議も進めているとしている。

2,000万円台モデルで市場拡大

3Dプリンター住宅は2026年1月から販売を開始した。ただし土地条件などの確認が必要なため、現在は予約形式で進めている。2025年に公開したプレミアムモデルは約6,000万円だったが、現在は「Lib Earth House model B」とするスタンダードモデルを開発中である。このモデルは延床面積85平方メートルで、価格は2,000万円台を想定している。木造住宅と同等、もしくはやや低価格帯を狙う。将来的には1,000万円台の住宅も視野に入れており、価格を引き下げることで市場シェア拡大を目指すとしている。

編集部コメント

3Dプリンター住宅は世界各地で実証が進む一方、日本では建築基準法や確認申請のハードルが高く、実際に「建てられる住宅」として成立させることが難しい分野である。Lib Workの取り組みは、建築可能な住宅として開発を進めつつ、2,000万円台という現実的な価格帯を提示した点が特徴だ。普及の鍵は技術そのものよりも、既存住宅と比較可能な価格と量産体制にあると言えるだろう。また、土系材料の3Dプリンター住宅で特許を取得したことは、今後の市場競争において材料技術の面で優位性を持つ可能性がある。今後は実際の施工実績や量産体制の構築がどこまで進むかが注目される。

用語解説

■ 3Dプリンター住宅
建設用3Dプリンターを用いて壁体などを積層造形し、住宅として建築する工法または建築物のこと。施工の省人化や工期短縮が期待される一方、日本では建築基準法や確認申請への適合が普及の大きな条件となる。
■ 耐震等級3
住宅性能表示制度における耐震性能の最高等級。等級1の1.5倍の耐震性能を持つ水準で、防災拠点となる建物と同程度の強度目安とされる。
■ 4号特例
小規模な木造建築物などに対し建築確認申請の審査を簡略化できる制度の通称。近年の法改正で対象範囲が見直され、構造計算や省エネ評価などの審査が厳格化された。

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