中国のトレンド玩具メーカーポップマート(泡泡瑪特)が、人気キャラクター「LABUBU(ラブブ)」の3Dプリントデータを巡り、3Dプリンターメーカーなど複数の企業を提訴したことが明らかになった。同時に株式市場では同社株が急落し、キャラクタービジネスと3Dプリントコミュニティの衝突として注目を集めている。
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LABUBUの3Dプリントデータ問題
中国メディアによると、ポップマートはLABUBUの著作権侵害を巡り、複数企業を提訴した。その中には、中国の3Dプリンターメーカー深セン拓竹科技(Bambu Lab)も含まれる。問題となっているのは、同社が運営する3Dモデル共有コミュニティMakerWorldだ。MakerWorldにはユーザーがアップロードしたLABUBUの非公式3Dプリントデータが多数公開されており、ユーザーは無料または低価格でこれらのデータをダウンロードし、自宅の3Dプリンターでキャラクターフィギュアを造形できる状態になっているという。
SNS上では
- 「無料でLABUBUを手に入れられる」
- 「3DプリントでLABUBU自由を実現」
といった投稿も見られ、プリントデータの個人売買を行うグレーマーケットも生まれていると報じられている。この訴訟は著作権の帰属および侵害を巡る争いで、2026年4月2日に開廷予定とされている。
株価は急落、時価総額も大幅減
こうした問題が報じられる中、香港株式市場ではポップマート株が急落した。3日の取引では株価が一時約5%下落し2月以降の安値を記録。さらに15日の取引でも約9%下落する場面があり、人気キャラクターLABUBUのブームに陰りが見え始めているとの見方が出ている。同社の時価総額は、8月の最高値から約130億ドル減少。これは約1兆9240億円(1ドル=148円換算)に相当し、時価総額の約4分の1が失われた計算になる。ただし株価は年初来で180%以上上昇しており、香港の主要指数であるハンセン指数でも主要銘柄となっている。
投資判断も引き下げ
JPモルガンはポップマート株の投資判断を「オーバーウエート」から「ニュートラル」へ引き下げた。アナリストは
- 材料不足
- 株価評価の高さ
- 二次市場での価格下落
などをリスク要因として指摘している。ポップマートは今後、LABUBUの新バージョン、アニメ作品との連携、インタラクティブ玩具などの新商品投入を予定しているが、アナリストは「材料としての見通しは不透明」としている。
キャラクターIPと3Dプリントの衝突
今回の問題は、キャラクターIPと3Dプリント文化の衝突を象徴する事例ともいえる。3Dプリントコミュニティでは、人気キャラクターの非公式モデルが共有されるケースは少なくない。一方で企業側にとっては、フィギュア販売ビジネスを直接揺るがす可能性がある。今回の訴訟の結果は、3Dプリントプラットフォームの責任範囲やキャラクターIP保護の在り方にも影響する可能性があり、今後の動向が注目される。
シェアラボ編集部としても、3DプリントとIPビジネスの関係がどのように整理されていくのか、引き続き注視していきたい。
編集部コメント
今回の事例は、3Dプリント業界にとって象徴的な出来事である。個人が自由にデータを共有できる文化は3Dプリントの強みだが、キャラクターIPと衝突するケースは今後さらに増える可能性が高い。特に3Dモデル共有サイトの運営責任やユーザー投稿データの管理体制は、今後の法的議論の焦点になるだろう。今回の訴訟結果は、MakerWorldのようなプラットフォームだけでなく、ThingiverseやPrintablesなど世界中の3Dモデル共有サイトにも影響を与える可能性がある。
用語解説
| ■ 3Dモデル共有サイト 3Dプリント用のデータ(STLなど)をユーザーがアップロード・共有できるオンラインプラットフォーム。代表的なものにMakerWorld、Thingiverse、Printablesなどがある。個人の設計データを世界中で共有できる一方、著作権やキャラクターIPの無断利用が問題になるケースもある。 |
| ■ 知的財産(IP) 特許、著作権、商標などの知的財産権の総称。キャラクターやデザインなどの創作物も保護対象となる。フィギュアやキャラクター商品ではIPのライセンス管理が重要なビジネス基盤となっている。 |
| ■ 二次市場 メーカーや公式販売店ではなく、個人売買や中古市場で取引される市場のこと。人気フィギュアや限定商品ではプレミア価格が付くこともあるが、需要が落ちると価格が急落することもある。 |
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