経済産業省プログラム「ART X JAPAN CONTEXT」始動

2025年8月25日
アブストラクトエンジンのプレスリリースより。

株式会社アブストラクトエンジン(東京都渋谷区、以下、アブストラクトエンジン)は、経済産業省と連携し、令和6年度補正予算「クリエイター・エンタメスタートアップ創出事業費補助金(アート分野)」を活用したプログラム「ART X JAPAN CONTEXT」を2025年7月下旬から2026年3月にかけて実施する。参加する8組のアーティスト・チームが決定しており、その中には廃材を再利用する次世代型3Dプリンターを活用した取り組みも含まれる。(上部画像はアブストラクトエンジンのプレスリリースより。出典:アブストラクトエンジン)

アートと文化的資源の掛け合わせ

本事業のそもそもの目的は、地域や企業が有する文化的資源(技術、製品、知恵、場所など)とアーティストの表現を融合させ、海外市場で評価されるアート作品を生み出すことにある。単なる作品制作支援にとどまらず、デザインやビジネスの専門家によるレクチャーを通じて「日本らしさ」と「多層的な文化文脈」を踏まえた表現の育成を目指す。

3Dプリンターを活用する「井村一登 × ExtraBold」チーム

8組の中でも特にシェアラボが注目するのが「井村一登 × ExtraBold」である。ExtraBoldは廃材を原料とした次世代型3Dプリンティング技術を有しており、大型3Dプリンター「EXF-12」や協働ロボット式3Dプリンター「REX-Series BUTLER fabrication™」を自社開発している。さらに、循環型ものづくりを推進するため、材料開発にも力を入れている。

アーティストの井村一登は、この技術を自身の光学作品と組み合わせることで、3Dプリンターを積極的に活用したインスタレーションを制作する予定だ。従来の素材や技法では表現できなかった造形を可能にする点で、3Dプリントが作品の核心的役割を担うことになる。

3Dプリンターが切り拓くアートとものづくりの新境地

「ART X JAPAN CONTEXT」は、日本の文化的資源とアート表現を海外市場へとつなぐ新たな試みである。その中でも「井村一登 × ExtraBold」チームは、廃材由来の素材を活用する次世代型3Dプリンターと光学作品の融合を掲げており、アートと製造技術の境界を越える取り組みとして注目に値する。

今後の作品発表を通じて、3Dプリンターがアート領域においてどのような価値を発揮するのか、動向を追う意義は大きいだろう。

その他の参加者

今回のプログラムには、以下のアーティストと企業が参加する。

  • 池田翔 × Lada
  • EXP2FLOOR × WOMB
  • 杉浦久子 × 東洋竹工
  • 松山周平 × スズサン
  • 涌井智仁 × Design Solution Forum
  • 石田康平(連携企業は後日発表予定)
  • snipe1(連携企業は後日発表予定)

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