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Backflip社が未来の3D設計ツールを発表!AIを活用したハードウェア開発の新時代へ

Backflip社のBackflip AIのサイトより。

Backflip社(アメリカ合衆国カリフォルニア州)が、その3D設計ツールと事業ビジョンを公開した。AI技術を活用した革新的な3Dプリンター向けの設計プラットフォームを提供し、ハードウェア開発の速度を飛躍的に向上させることを目的としている。従来のツールでは時間がかかっていたプロセスを、AIと3Dプリンターの融合によって「想像する速度で創造する」世界を実現しようという挑戦だ。(上部画像はBackflip社のBackflip AIのサイトより。出典:Backflip社)

革新的なAI駆動の3D設計ツール

Backflip社が公開した最初の製品は、AIによって支えられた新しい3D設計ツールで、このツールは、テキスト、手描き、スマートフォンの写真といった多様な入力方法から、直接3Dプリント可能なデータを生成する。特筆すべきは、その操作の簡単さで、子供でも扱えるレベルの直感的なインターフェースを備えている点である。

次期バージョンでは、経験豊富なエンジニアやデザイナー向けに、精度と制御性を強化したプロ仕様ツールをリリースする予定だ。これを「プロフェッショナルのための強力で使いやすく、精密なツール」と位置付けている。

Backflipでこのマグカップを設計する際に使用した、テキストから画像、そして3Dへの変換プロセス
マグカップを設計する際に使用した、テキストから画像、そして3Dへの変換プロセス。(出典:Backflip社)

Markforged社の成功を背に、新たな挑戦へ

Backflip社の創業者たちは、3Dプリント業界で名を馳せた人物たちで構成されている。主要メンバーは、過去に3Dプリント技術を駆使した企業「Markforged社」を創業し、時価総額21億ドルで上場させた経歴を持つ。Markforged社は、国際宇宙ステーションや医療分野、航空宇宙産業などで使用される高性能部品を製造する企業として知られるが、今までの経験を活かし、AI技術の活用をさらに推し進め、これまでにないスピードと精度で設計を行えるプラットフォームを構築する意向を示している。

製造された部品は、世界中の過酷な環境で使用されている。
製造された部品は、世界中の過酷な環境で使用されている。(出典:Backflip社)

3,000万ドル(約47億円)の資金調達、著名投資家が支援

Backflip社は今回、著名なベンチャーキャピタルNEAおよびAndreessen Horowitzを主導とした3,000万ドル(約47億円)の資金調達を実施。さらに、Microsoft社のCTOであるKevin Scott 氏、Android社の共同創業者Rich Miner 氏、「Transformer」の基本原理となる論文「Attention is All You Need」の著者であるAshish Vaswani 氏など、名だたるエンジェル投資家も参加している。このほか、著名な法律事務所Quinn Emanuelから、Harvey Wolkoff 氏とAliki Sofis 氏もチームに加わり、法務面でも盤石な体制を整えている。

「未来を創る仲間を募集」社会的課題への挑戦

Backflip社のビジョンは単なる設計ツールの開発に留まらない。同社は、地球規模の課題にも取り組む姿勢を見せており、「炭素回収技術のスケール化」「人類を多惑星種にするためのロケット開発」「核融合炉の実用化」といった大規模プロジェクトに寄与する技術の基盤を提供することを目指している。「最も優秀で、挑戦を恐れない人材」を求めており、「今週、何を成し遂げたかを誇れる仕事をしよう」というメッセージを掲げる。

今後、AI技術を駆使した3D設計ツールの進化は、製造業界に大きな変革をもたらすだろう。Backflip社が目指す「未来を創造するためのプラットフォーム」が、どのような成果を生み出すのか注目される。

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