3Dモデル「3DBenchy」がパブリックドメインへ！
3Dプリンターのテストや性能評価のために特別に設計された3Dモデル「3DBenchy」が、ついにパブリックドメインとなった。3DBenchyは、2015年4月9日にCreative Toolsによって公開され、その後、3Dプリンティングコミュニティで広く愛される象徴的な存在となった。2024年にCreative ToolsがNTIに買収・統合されたことを受け、NTIは「3DBenchy」の10周年を記念し、世界に向けてこのモデルをパブリックドメインとして開放することを決定した。（上部画像は「オリジナル 3DBenchy」出典：https://www.3dbenchy.com/）
「3DBenchy」の誕生
「3DBenchy」は、Creative Toolsに在籍していたDaniel Norée（ダニエル・ノレ）氏によって、3Dプリンターの性能評価用に設計されたボート型のモデルである。当時のCreative Tools CEOであるPaulo Kiefe（パウロ・キーフェ）氏は、Daniel Norée 氏の3Dプリンティングへの情熱を共有し、このモデルを「3DBenchy」と名付け、オンラインで公開した。
当初は「クリエイティブ・コモンズ：改変禁止」のライセンスで配布され、その設計は改変から保護されていた。これは、「3DBenchy」をキャリブレーションツールとして確実に機能させるためだった。しかし、その高い人気から、ライセンス上の制約にもかかわらず、コミュニティによって数多くの派生バージョンが制作された。それでもCreative Toolsは「改変禁止」の条項を厳格に適用することはなく、コミュニティもその本来の目的を尊重していた。
パブリックドメインへの移行
2024年にCreative ToolsがNTIに買収されたことで、「3DBenchy」の管理権はNTIに移った。NTIは、建設、設計、製造、メディア＆エンターテイメント業界向けのデジタルソリューションを提供する大手企業であり、「3DBenchy」の商業利用を考えてはいなかったが、2025年1月、一部の「3DBenchy」派生モデルがPrintablesから削除されたという噂が流れた。この削除は、元のライセンスが施行されたためと考えられたが、実際にはNTIが関与したものではなかった。Printablesを運営するPrusa Researchは、第三者の報告によってライセンス施行が行われたことを明らかにし、NTIが派生モデルの削除を求めたり、法的措置を講じたりしたわけではないと説明した。
この一件により、「3DBenchy」が3Dプリンティングコミュニティにとって非常に重要な存在であることが改めて浮き彫りとなった。これを受け、NTIはDaniel Norée 氏とPaulo Kiefe 氏と協議し、「3DBenchy」を完全にパブリックドメインとする決定を下した。これにより、誰もが自由に利用し、改変し、共有できるようになる。
次世代へ引き継がれる「3DBenchy」
このライセンス変更に伴い、「3DBenchy」の公式ウェブサイトや関連するソーシャルメディアアカウントは、Daniel Norée 氏とPaulo Kiefe 氏に引き継がれることとなった。ただし、その唯一の条件は、「3DBenchy」が引き続き誰でもアクセスできる状態であることだ。
記念すべきイベント
2025年4月9日、「3DBenchy」は10周年を迎える。この記念すべき節目を祝うためコミュニティ向けに特別なサプライズが用意されているという。最新情報や特別ダウンロードコンテンツについては、（https://www.3dbenchy.com/）での発表を楽しみにしてほしい。このように、「3DBenchy」はこれからも3Dプリンティングの象徴として、多くの人々に愛され続けるだろう。
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