防衛・安保展示会「DSEI Japan 2025」出展者が過去最多

2025年6月3日
「DSEI Japan 2025」のオフィシャルサイト。

日本で唯一の国際的な防衛・安全保障展示会「DSEI Japan 2025」(2025年5月21日〜23日、千葉県・幕張メッセ)が閉幕した。伝統的防衛関連企業に加え、AI、サイバー、宇宙、ドローン、3Dプリンター、先端素材など、世界をリードする日本の先端民生技術企業が新規出展。主催団体であるDSEI Japan 2025実行委員会およびClarion Events Japan株式会社は、開幕直前に出展者一覧を公表、大規模な開催への期待が高まっていた。(上部画像は「DSEI Japan 2025」のオフィシャルサイト。出典:DSEI Japan実行委員会)

「DSEI Japan 2025」、出展者・来場者ともに記録更新

「DSEI」は英国で誕生し、世界最大級の防衛・安全保障分野の展示会として国際的な評価を受けている。2019年に日本へ導入され、日本政府の後援のもと「DSEI Japan」として開催が続けられてきた。
第3回目となった「DSEI Japan 2025」には、過去最多となる450を超える企業・団体が出展し、そのうち約170社、全体のおよそ4割を日本企業が占めた。出展者と来場者を合わせた参加者数は14,000人を超え、前回(8,432人)を大幅に上回る結果となった。展示会場の規模も前回の2倍に拡大され、26,500平方メートルのスペースで過去最大のスケールを実現した。

なお、DSEI Japanは、公式代表団、出展者による招待客、DSEI JapanのVIP、防衛省およびその他政府関係者、報道関係者、ならびに貿易関係者を対象としたイベントである。来場者は、防衛・安全保障およびそれに関連する産業、政府機関、装備品調達機関、防衛大学、研究機関といった合法的かつ正当な分野に従事していることが求められる。

先端技術と国際対話が結集、インド太平洋の安全保障を議論の中心に

「先端技術によるインド太平洋地域の安全保障の強化」をテーマに掲げた本展示会では、世界的な伝統的防衛装備メーカーに加えて、日本のスタートアップや中小企業も初出展し、自社の先端技術を披露した。分野は多岐にわたり、多様なソリューションが注目を集めた。
出展者は、アメリカ、オーストラリア、インド、韓国、フィリピン、シンガポールをはじめとするインド太平洋地域の国々に加え、イギリス、ドイツ、ウクライナなどを含む計41ヵ国から参加した。防衛調達担当者との交流を通じ、各国間の連携強化が図られた。
さらに、調達担当者や外交官、防衛・政策分野の政府高官らによるハイレベルな議論も展開され、テーマに即した国際的対話の場が形成された。

革新技術が集う「Newcomer Zone」

今回新たに設けられた特設エリア「Newcomer Zone」では、新規参入企業が集結し、自社の革新的技術をアピールした。
航空宇宙ドローンを手がける株式会社テラ・ラボ、人工知能分野で注目される株式会社Preferred Networks、気象モニタリング技術に特化したメトロウェザー株式会社、作業用アシストスーツの株式会社イノフィス、小型衛星開発の株式会社アークエッジ・スペースなど、各社が先端技術を披露した。
これらの企業は、防衛・安全保障分野に対して新たな価値を提供しうる存在として、来場者から大きな関心を集めた。

次世代戦闘機GCAPを披露

日英伊3カ国が共同で進める次期戦闘機開発プロジェクト「グローバル戦闘航空プログラム(GCAP)」に関する特設ブースも大きな注目を集めた。
本ブースでは、日本航空機産業振興株式会社(JAIEC)、英国のBAE Systems社、イタリアのLeonardo社などの主要企業が参加し、最先端技術を用いた戦闘機開発の最新動向が紹介された。
来場者は、次世代空中戦能力の構築に向けた各国の取り組みや国際共同開発の実態について、貴重な情報に触れる機会を得た。

国際企業と政策対話が交錯

ロッキード マーティン社、ボーイング社、三菱重工業株式会社、株式会社IHIといった欧米および日本の防衛産業大手に加え、シンガポールのST Engineering社が初めて出展した。同社は、防衛装備の調達担当者に対し製品紹介を行うとともに、日本企業との協業の可能性についても積極的にアプローチした。
また、会期中には、経済安全保障やサプライチェーン強靱化をテーマとしたセミナーやパネルディスカッションが多数開催され、各国の政府関係者や専門家による実務的かつ戦略的な議論が展開された。政策対話と技術展示が融合した本イベントは、国際的な防衛協力の深化に寄与する重要な場となった。

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