サンステラが創業18周年記念企画 & 高性能樹脂「PEI 9085」3Dプリント受託造形サービスを開始

株式会社サンステラ(東京都豊島区、以下、サンステラ)は、2025年3月12日に創業18周年、3Dプリンター事業開始から13周年を迎えた。これを記念し、3Dプリンターとフィラメントの無料配布キャンペーンの実施および、高性能樹脂「PEI 9085」の3Dプリント受託造形サービスの開始を発表した。(上部画像はサンステラのプレスリリースより。出典:サンステラ)
3Dプリンター販売代理店としての18年の歩みと革新
株式会社サンステラは、2007年の設立以来、最先端の3Dプリンティング技術を提供し続けてきた。2012年には3Dプリンター事業に本格参入し、製品開発やプロトタイピングを支援することで、さまざまな業界のものづくりを支えてきた。
近年、3Dプリンターの用途はさらに広がりを見せており、製造業・工業分野にとどまらず、医療、教育、アートといった分野でも活用が進んでいる。そうした市場の拡大の中、同社は年間約2500台の3Dプリンターを販売し、年間5万巻以上の3Dプリンターフィラメントを提供するなど、業界の発展に貢献している。
技術革新が加速する中、サンステラは今後も最先端技術の導入とサービスの向上に取り組み、さらなる成長を目指していく。3Dプリンター市場をリードする同社の今後の展開に注目が集まる。
創業18周年記念キャンペーン
創業18周年を記念して以下のキャンペーンを実施するとのことだ。
1. 3Dプリンターを既に使用しているユーザー向け
3Dプリンターを使用しているユーザーを対象に、Polymaker製「Polysonic PLA」3Dプリンターフィラメント(グレー)が、抽選で18名にプレゼントされるキャンペーンが実施される。Polymakerのフィラメントは、その高品質と安定した造形性能で広く知られている。特に「Polysonic PLA」は、高速造形時でも強度を維持し、糸引きが少なく、美しい仕上がりを実現できる点が特徴だ。本キャンペーンは、より多くのユーザーに高性能なフィラメントの魅力を体験してもらうことを目的としている。
X:@sunstella_3d
投稿時期:2025年3月12日17時頃
期間:2025年3月12日~4月13日まで
対象:全世代
2.今後3Dプリンターをつかう人向け
18歳以下の学生を対象に、3Dプリンターを合計10台無償で提供する。これから3Dプリンターを活用しようと考えている若いクリエイターに向けた取り組みであり、ものづくりの可能性を広げる機会となる。

配布品:全10台
FDM/FFF方式:AnkerMake M5 4台/AnkerMake M5C 3台
光造形方式:HALOT-MAGE 8K 3台
配布対象:18歳以下のユーザー
※本人の応募のみ・代理応募不可 ※18歳のユーザーを含む
※ZBlash・Fusion360・Tinkercad・作ってみよう!forDIYなどのソフトで、自分でSTLデータを制作できること。
応募期間:2025年3月12日(水)~4月13日(日)
高性能樹脂「PEI 9085」の3Dプリント受託造形サービスを開始
サンステラおよび株式会社フュージョンテクノロジー(東京都豊島区、以下、フュージョンテクノロジー)は、「PEI 9085」の3Dプリンター受託造形サービスを開始。本材料は、難燃性・非発煙性・非毒性の基準を満たし、耐薬品性・強度・剛性・耐熱安定性に優れる。航空・宇宙、自動車、工業用途など、高い要求を満たす特殊部品の製造に適している。
造形には、ポルシェも出資する「INTAMSYS FUNMAT PRO 610 HT」を使用し、従来困難とされていたスーパーエンプラの精密造形を実現する。

PEI 9085(ポリエーテルイミド 9085)の特長
- FAA(アメリカ連邦航空局)認証のFST基準に適合(難燃性・非発煙性・非毒性)
- 耐熱温度153℃(ASTM D648 0.45MPa)
- 優れた耐薬品性を持つ非晶性樹脂
- ノズル温度370℃・チャンバー温度170℃と極めて高い造形条件を要求
造形依頼について
特殊なシーンで高い難燃性・耐熱性を備えた材料が求められる場合、本サービスを活用できる。
造形依頼フォーム:こちら
※価格は都度見積もりにより決定。
造形に使用するINTAMSYS FUNMAT PRO610 HTの特長
本機は、大型サイズのスーパーエンプラ造形を安定して行うことが可能な産業用3Dプリンターである。高温ノズルと高いチャンバー温度を備え、従来困難とされてきたスーパーエンプラの造形を実現した。

PEEK、PEKK、PEI(1010 / 9085)、PPSUなどの大型モデルに対応しており、歪みを抑えた安定した造形が可能である。ノズル温度は最大500°C、ホットベッドおよびチャンバー温度は最大300°Cに対応しており、高温での造形にも適している。
また、デュアルヘッドを搭載しており、2つのヘッドを使い分けることで造形の精度を向上させることができる。さらに、除去が容易な「別体サポート材」の使用が可能であり、複雑な形状の造形物でも後処理の負担を軽減できる。
造形サイズは610 × 508 × 508mmと大型であり、大きな造形物も分割せずに一体成形できるため、精度の高い部品製造が可能となる。
今後の展望
サンステラは、教育分野における3Dプリンターの普及を推進し、次世代の技術者やクリエイターを支援する方針を掲げている。また、高性能樹脂PEI 9085の3Dプリント造形サービスを通じ、産業用途における3Dプリント技術の可能性を広げていく。3Dプリンターの普及促進と高性能材料の活用を同時に推進するサンステラの新たな取り組みに、今後も注目したい。
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