サントリーが開発した世界初の液中3Dプリント技術、万博で『ミャクミャク』を立体描画

2025年6月16日
サントリーのLIDRIS特設サイト。

大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」のイラストを、液体の中に液体で描き出すという驚きのドリンクが登場し、話題となっている。サントリーホールディングス(大阪府大阪市、以下、サントリー)が万博会場内に設けたカフェテリア「SUNTORY PARK CAFE」で販売している「ミャクミャクレモネード」がその主役だ。液体中に別の液体を注入して絵柄を描くという、サントリーが独自に開発した「LIDRIS(リドリス)」技術である。(上部画像はサントリーのLIDRIS特設サイト。出典:サントリー)

液中で描く未来絵巻、サントリーのLIDRIS技術が万博で話題に

LIDRISは、同社の公式サイトでも紹介されており、液体の中でインクを安定させながら線やイラストを描ける世界初の技術だ。万博会場のドリンク提供では、ロボットアームが細いノズルを用いて水中で赤い線を自在に操り、ミャクミャクのイラストを立体的に描き出すパフォーマンスが実現している。

液中3Dプリント技術との親和性

このLIDRIS技術は、厳密には積層造形(いわゆる3Dプリンティング)そのものではないが、「液中で立体的に造形する」という観点で、近年注目されている液中3Dプリント技術との親和性が高いと考えられる。液中3Dプリントは、樹脂を液中で積層して立体物を造形する技術であり、医療や食品、さらにはバイオ分野でも応用が期待されている。サントリーのLIDRISは、液中造形という新しいモノづくりの可能性を示す一例として、3Dプリント分野への応用も期待できる技術といえよう。

未来志向の液中造形技術、SNSで話題の『ミャクミャクレモネード』が示す可能性

SNS上では、「未来的すぎる」「一度は見てみたい」と驚きの声が相次いでいる。サントリーは今後、この技術を飲料業界のみならず、医療や食品、さらには3Dプリンティング分野への展開も視野に入れているという。

今回の「ミャクミャクレモネード」は、来場者に楽しさと驚きを届けるだけでなく、液中造形技術が持つ可能性を体感させる試みでもある。今後の技術展開に大きな注目が集まっている。

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