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ダッソー・システムズがブイグ・コンストラクションと協業を拡大。建設業界のデジタル・トランスフォーメーションを推進

3D設計ソフトウェア、3Dデジタル・モックアップ、そしてプロダクト・ライフサイクル・マネジメント (PLM) ソリューションの世界的リーダーであるダッソー・システムズおよびフランスの大手建設会社であるブイグ・コンストラクションは、建設業界の新たな展望を開くべく、両社の戦略的パートナーシップ契約を更新したことを発表した。

契約の更新を通じて、3DEXPERIENCE プラットフォームの研究開発を進め、同業界のSDGs(持続可能な開発目標)達成に取り組むとのこと。 今回は、建設業界で進むデジタル・トランスフォーメーション動向および3DEXPERIENCE プラットフォームをお届けする。
(写真は、ダッソー・システムズおよびブイグ・コンストラクションによる協業の様子。ダッソー・システムズ公式サイトより引用)

建設業界が直面している課題とデジタル・トランスフォーメーション動向

本章ではまず、そもそも建設業界が今リアルにおいてどのような課題に直面しており、それに対しデジタルを活用しどのように解決を行っているのかを紹介する。

特に解決が求められている課題

建設業界の人手不足については、少子高齢化が進むなかご存じの方も多いだろうが、ノウハウ継承も大きな課題となっている。少子高齢化に伴い、熟練技術者が減少していることはその背景のひとつだ。取り換えのきかない熟練技術者の知見をいかに効率的に正しく継承していくかは、大きな問題と言えるだろう。

効率的なサプライチェーンの構築が難しいことも課題だ。建設業においては受注をしてから生産を開始する受注生産が基本であり、資材も受注内容にあわせて調達するため、原料価格や運送費の高騰などが起きれば、その影響を受けることになる。また、受注生産体制であるため、時間や資材に余裕があっても、稼働できない時間が発生する。

紙の図面や手動によるアナログな業務も、効率性・安全性の側面から解決すべき課題と言える。例えば、工程管理や受注管理を担当者が発注書や工程表を見ながら入力していたり、現場の測量や高所での点検作業を従業員が書類を見ながら手動で対応していたりと、さまざまな業務において人力と紙で行う作業が多く残っている。

建設業界のデジタル・トランスフォーメーション動向

先に挙げたように、建設業界にはいくつもの課題がある。しかし、それを解決するデジタル・トランスフォーメーションの実例もまた多い。以下に紹介する。

国内有数の設計事務所である日本設計は、基本計画から実施設計に至るまで初期段階から 3D を用い、そのプロセスを最適化するための検証を行いつつ、BIMで情報を統合している。具体的な取り組みとして、クラウドの設計管理ソフトウェアである BIM 360 を使いながら、遠隔での作業者と同時に3D 空間上でデータをやり取りするなど、従来ではできなかったスムーズなコミュニケーションを実現している。

また大林組は、設計から維持管理に至るまで建物データベースを一貫して活用する「スマート BIM」に取り組んでいる。具体的な取り組みとして社内の BIM モデルやノウハウを、クラウド環境にある情報プラットフォームBIMWillを活用している。外部へ公開することで、デジタルツインによる新たなサービスを模索しているとのこと。

建設業界

プロジェクト進行の効率化を促進:3DEXPERIENCE プラットフォームについて

両社は2017年に提携を開始し、2020年からその関係を強めてきた。本章では今回の契約更新によって、さらなる開発が推し進められる3DEXPERIENCE プラットフォームのサービス内容を紹介する。

同プラットフォームはものづくりのみならず、建設業界における調達、設計、製造などを含めたバリューチェーン全体の効率化・刷新を可能にするツールだ。建設業界は、関係者が多岐に渡る。同プラットフォームを用いて、デベロッパー、設計事務所、サブコン、サプライヤー、顧客、運用会社といった関係者間のやり取りを簡素化し合理化を可能にする。また、現場作業員にも連携やイノベーションのためのツールを提供し、プロジェクトのエコシステム全体を連動させることができる。

また同プラットフォーム上で、建設業界向けバーチャルツインを開発することで、プロジェクト管理の効率化を促進し、設計から運用までを通して役立てられる。バリューチェーンの上流で建物の用途に基づいた最適な設計ができるようになるだけでなく、これまで現場作業に過度に依存していた各プロセスを可視化・共有し、早い段階でプロジェクトの各フェーズを予測、現場作業計画の立案を可能にする。 最終的には、オーダーメイドで質を重視した幅広い機能を提供することで、現場での生産性の向上、品質の改善、ミスの削減、新たな環境基準に対するコンプライアンスも達成できるとのこと。

ちなみに、同プラットフォームのいちソリューションであるビルディング・デザイン・フォー・ファブリケーションについては、日本を代表する設計事務所のひとつである隈研吾建築都市設計事務所に活用された実績を持つ。

3DEXPERIENCE プラットフォーム(ダッソー・システムズ公式サイトより引用)

契約更新にあたっての両社のコメント

どのプロジェクトにも固有の要求事項があり、ひとつとして同じプロジェクトはありません。
使用に関する要件に対応する際に直面する課題は、ますます複雑化してきています。ダッソー・システムズとのパートナーシップを通じて、私たちは、お客様に利益をもたらす工法を開発し、将来的に業界の環境目標への対応の仕方を改善する、従来とは異なる手法を取ろうとしています。こうした改革はプロジェクトの全関係者がバーチャルツインの開発に参加してはじめて実現します。このような高度な連携には、エコシステムを統合する単一のデジタルプラットフォームが必要なのです。

ブイグ・コンストラクション 会長兼最高経営責任者 フィリップ・ボナーブ氏

エコシステムやプロジェクトの複雑さが増し、その規模も拡大してきています。
我々は、より少ないコストでさらなる環境への配慮を可能にする建設業界のインダストリー・ルネサンスを実現できると確信しています。現場作業員に連携やイノベーションのツールを提供することで、廃棄物を削減し、建設のライフサイクルを可能にすることができるでしょう。ブイグ・コンストラクションと進めているプロジェクトを成功させるには、多種多様な建設プロジェクトに対応できるよう、迅速かつ広範囲におよぶ連携が必要になります。3DEXPERIENCE プラットフォームは建設業界向けに、モバイル機器に対応したクラウドベースの次世代バーチャルツイン・エクスペリエンスを提供し、業界を簡素化、合理化、持続可能なものへと変革させるゲームチェンジャーになるでしょう。

ダッソー・システムズ 取締役会副会長兼最高経営責任者 ベルナール・シャーレス氏

ダッソー・システムズについて

フランスの複合企業体「グループ・ダッソー(Groupe Dassault)」に所属し、フランスで最大、EUでもトップ2に入る規模のソフトウェア会社。3DEXPERIENCEカンパニーとして、人々の進歩を促す役割を担っている。

同社は、持続可能なイノベーションの実現に向けて、企業や人々が利用する3Dのバーチャル コラボレーション環境を提供している。グループ全体で140ヶ国以上、あらゆる規模、業種の29万社以上の顧客に価値を提供している。

ブイグ・コンストラクションについて

60を越える国々に5万8000人の従業員を擁し、建築、土木、エネルギー、サービスの各セクターにおいてプロジェクトの設計、建設、運用を手掛ける企業。

持続可能な建設をリードする同グループは、イノベーションの共有を重要な付加価値と捉え、健康と安全を最優先することを保証している。2030年までに温室効果ガス排出量を30%削減することを約束し、低炭素化を実現する多様なソリューションを顧客に提供している。

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シェアラボ編集部 | + posts

3Dプリンタ―の”先進っぽさ”を感じさせる作りに男心をくすぐられる毎日。さまざまな業界にて活用されるアディティブ・マニュファクチャリングの今をお届けします!最近のニュースは、鳥を飼い始めたこと。

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