小型フルカラー3Dプリンターのエントリーモデル『3DUJ-2207』を発表―ミマキエンジニアリング
産業⽤インクジェットプリンタ、カッティングプロッタ、3Dプリンターを手掛ける株式会社ミマキエンジニアリング(以下、ミマキエンジニアリング)は、1,000万色以上のフルカラー造形を実現する小型フルカラー3Dプリンターのエントリーモデル『3DUJ-2207』を発表し、来年1月より全世界で販売を予定しているとのこと。(画像は、ミマキエンジニアリングWebサイトより)
敷居の高いイメージがあるフルカラー3Dプリンター
フルカラー3Dプリンターと言えば、以前ご紹介したストラタシス社のJ55を始め、XYZ PRINTING社のダヴィンチ Color miniなどラインナップこそ少ないものの、フルカラー造形によるさまざまな構造物の実現可能性やバーチャルキャラクター出力サービス、ゲーム3Dデータの発展や、手軽に3Dスキャンのできる環境が整いつつあるなど今後需要が増えていくことと思われる。またJMC社のフルカラー3Dプリントサービスのように、サービス展開されているケースも出てきている。
しかしその高額なコストや家庭用のものがあまり発売されていないことや、大型で設置面積も広いため、通常の小型3Dプリンターと比べ敷居が高いイメージが存在するのも確かだ。
色で造る。色で魅せる。―3DUJ-2207
一般的な石膏方式に比べて、約2倍の高精細な色表現を実現
『3DUJ-2207』は、先に挙げた課題を解決する機種ではないだろうか。
UV硬化インクジェット方式で1,000万色以上のフルカラー造形を実現する3Dプリンターであり、一般的な石膏方式に比べて約2倍の高精細な色表現を実現している。また小型設計であるため、本体を分解することなく搬入できる上、設置面積が狭く静音設計で脱臭機を備えているため、オフィス環境への設置に最適だ。
さらに、1,000万色の高画質・高精細な造形で、フィギュアやおもちゃのグッズデザインをはじめ、建築模型、家電製品など、工業デザインのわずかな色の違いにより印象を左右させる精密な試作品を求められる分野でも活用できるとのこと。
上位機種『3DUJ-553』と比べて、約1/5の価格を実現
今回の『3DUJ-2207』は、当社のUV硬化インクジェット方式3Dプリンタの上位機種『3DUJ-553』と同等の色数および造形精度を発揮。造形領域は、『3DUJ-553』のW:508mm x D:508mm x H:305mmからW:203mm x D:203mm x H:76mmへと縮小したほか、徹底した小型化設計により、本体価格を『3DUJ-553』に比べて約1/5となるリーズナブルな価格を実現。
このように、小型化を実現し、1,000万色以上のフルカラーでの本格的なプリント・造形が可能な『3DUJ-2207』は、今まで高精細フルカラー3Dプリンタの導入をあきらめていた方も、積極的に導入を検討できる製品となっている。
高精度なインク吐出技術やバリアブルドット機能について
また単にさまざまな色付けを行うことができるのみならず、その精巧な造形表現、高い着弾精度を誇るのも同製品の特長と言えるだろう。
高画質が求められる産業用インクジェットプリンタ開発でミマキエンジニアリングが培ってきた、独自の波形コントロール技術と高精度なインク吐出技術により、狙った場所に正確にインクを着弾させることでディテールまでこだわった精巧な造形が可能となっている。
また粒状感の少ない造形へ導く、一度に3つのドットサイズにインクを打ち分けるバリアブルドット機能と呼ばれる機能も保有している。この機能によって常に最適なドロップサイズで造形し、粒状感の少ない美しいグラデーション表現や高精度なフルカラー造形が可能だ。
サポート材については、水溶性のサポート材インクが採用されている。水に浸けることでサポート材を除去でき、削り取る必要がない。繊細なデザインも造形物を破損することなく簡単にサポート材を除去できるのもうれしい点だ。
販売予定価格 | 3,480,000円(税別) |
販売開始 | 2021年1月(予定) |
販売予定台数 | 300台/年(全世界) |
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3Dプリンタ―の”先進っぽさ”を感じさせる作りに男心をくすぐられる毎日。さまざまな業界にて活用されるアディティブ・マニュファクチャリングの今をお届けします!最近のニュースは、鳥を飼い始めたこと。