高い成長の可能性を有する産業資産への投資戦略に沿って、Lenbach Equity Opportunities III. GmbH & Co. KG(ドイツ・ミュンヘン、以下、LEO IIIファンド)は、TRUMPF(ドイツ・ディッツィンゲン)との間で、同社のAM技術【レーザー金属溶融積層(LMF)/粉末床溶融結合(PBF/LPBF)】事業の買収に関する契約を締結した。今回の取引は、複雑な事業分離(カーブアウト)を大手企業と共に実行する上で、DUBAG(ドイツ・ミュンヘン)が信頼性と責任感あるパートナーとしての役割を果たしていることを示すものである。(上部画像はDUBAGのウェブサイトより。出典:DUBAG)
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LEO IIIファンドとは
LEO IIIファンドは、ドイツ・ミュンヘンを拠点とする投資会社DUBAGグループが運営するプライベート・エクイティファンドである。大手企業のノンコア事業のカーブアウトや、再建が求められる産業資産への投資を専門とし、特に製造業や重工業など伝統的分野への支援を得意とする。企業価値向上を目指して、組織改革やプロセス最適化を支援し、独立運営を可能にする体制構築を行うのが特徴である。
金属3Dプリンティングの国際的ソリューションプロバイダーを目指し新体制を構築
新たなグループは、金属3Dプリンティングにおける技術的先進性を有する国際的なソリューションプロバイダーとしての地位確立を目指す。単なる機械の供給にとどまらず、包括的なソリューションの開発、製造、導入、販売を通じて事業を展開する。今回のカーブアウトを通じて、内部構造と業務プロセスの簡素化を図り、グローバルに顧客ニーズへ迅速かつ的確に対応できる体制を構築する。
顧客には、革新的な装置のみならず、アプリケーションに関するコンサルティング、プロセス開発、自動化ソリューション、バリューチェーン全体にわたる統合コンセプトなど、広範な支援が提供される予定である。
航空宇宙・医療・歯科分野を重点市場に設定 契約完了は規制当局の承認が前提
特に、航空宇宙および医療技術産業のOEMやそのサプライヤー、また産業用金属3Dプリンティングの量産を担う専門的な受託製造業者のニーズに対応していく。今後の市場戦略では、航空宇宙、医療技術、歯科、一般産業分野を重点ターゲットとする。なお、本取引の完了は、関係当局による承認および契約上のすべての条件が満たされることを前提としている。
航空・医療分野に特化しグローバル展開へ
本事業は単なる装置販売にとどまらず、プロセス開発や自動化、統合ソリューションの提供を重視し、特に航空宇宙・医療・歯科分野に注力する。カーブアウトによる柔軟な組織体制を活かし、OEMや受託製造業者の高度なニーズに迅速に対応可能となる。今後はグローバル市場での存在感拡大と産業用途における金属AMの普及が期待される。
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