赤ちゃんの頭のゆがみ改善を目的とした頭蓋形状矯正ヘルメット「ベビーバンド」が、第14回「Medtecイノベーション大賞」において「ウェルビーイング賞」を受賞した。開発・製造を行うのは、医療機器ベンチャーの株式会社Berry(以下、Berry)である。
授賞式は2026年4月21日、東京ビッグサイトで開催された医療機器展示会「Medtec Japan 2026」初日に実施された。「ベビーバンド」は、3Dプリント技術や3Dデータ解析を活用して製造される日本製の頭蓋形状矯正ヘルメットであり、2022年7月の提供開始以降、全国41都道府県、260を超える医療機関に導入されているという。
目次
医療アクセスの地域差解消を目指す
乳児の頭の形に関する相談ニーズは年々高まっている一方で、実際に治療や相談に対応する医療機関は依然として限られている。Berryは、住む地域に関係なく適切な治療を受けられる環境づくりを掲げており、今後も導入医療機関を拡大することで、医療アクセス改善を進めていくとしている。
同社調べによると、「ベビーバンド」は国内で提供されている同種製品の中で、導入医療機関数が業界最多となるという(2026年4月28日時点)。
3Dプリントと人間工学を組み合わせた設計
「ベビーバンド」は、月齢の低い乳児が2〜6カ月程度装着することを想定した医療機器である。3Dプリント技術と3Dデータ解析を活用し、効率的かつ的確な矯正を目指した設計となっているほか、人間工学も取り入れられている。さらに、新生児科、小児科、脳神経外科の医師による助言を受けながら改良が続けられている点も特徴だ。
製品情報は以下の通り。
- 販売名:ベビーバンド3
- 一般的名称:頭蓋形状矯正ヘルメット
- 医療機器承認番号:30500BZX00071000

医療機器分野で活用が進む3Dプリント
医療機器分野では近年、3Dプリント技術の活用範囲が拡大している。患者ごとの形状に合わせたカスタム医療機器や補装具、歯科分野、手術シミュレーションモデルなど、個別最適化が求められる領域との相性が良く、国内外で導入が進んでいる。
「ベビーバンド」も、乳児ごとに異なる頭部形状へ対応する必要があることから、3Dデータ解析やデジタル製造との親和性が高い製品といえる。
シェアラボ編集部コメント
3Dプリント技術は、工業用途だけでなく医療分野でも存在感を強めている。特に、個人差への対応が重要となる医療機器領域では、デジタルデータと組み合わせた少量多品種生産との相性が良い。今回の「ベビーバンド」の受賞は、単なる技術評価だけでなく、“必要な人へ必要な医療を届ける”という社会実装面が評価された点も注目される。
今後、日本国内でも3Dプリントを活用した医療機器ベンチャーの動きはさらに広がっていきそうだ。
用語解説
| ■ Medtecイノベーション大賞 医療機器の設計・製造分野における展示会「Medtec Japan」の主催者が運営する表彰制度。医療現場の課題解決や社会実装に貢献した医療機器・関連技術を評価する。 |
| ■ 頭蓋形状矯正ヘルメット 乳児の頭のゆがみを改善するために使用される医療機器。成長途中の頭蓋骨に適切な圧力をかけることで、頭部形状を整える治療法として用いられる。 |
| ■ 3Dデータ解析 3Dスキャンなどで取得した立体形状データを解析する技術。医療分野では患者ごとの形状把握やカスタム医療機器製造などに活用されている。 |
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