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ソディック、イタリアの金属3DプリンターメーカーPrima Additive社を子会社化

ソディックのプレスリリースより。

株式会社ソディック(横浜市都筑区、以下、ソディック)は、イタリア・トリノを拠点とする金属3DプリンターメーカーPrima Additive S.r.l.(以下、Prima Additive)の株式を追加取得し、同社を子会社化することを正式に決定した。今回の株式取得は、2024年4月1日付で締結された資本業務提携契約に基づき、コールオプションの行使によって実施されたものである。(上部画像はソディックのプレスリリースより。出典:ソディック)

ソディック、金型革新を支える金属3Dプリンター事業の深化

ソディックは2014年に金属3Dプリンター事業に参入し、冷却水管を内部に3D形成可能な金型(プラスチック・ダイカスト)を中心に展開してきた。これは成形性能を飛躍的に高める技術であり、主に国内市場で既存の販売網を活用してきた。近年では自動車業界の「ギガキャスティング」技術普及により、金属3Dプリンターの需要がさらに高まっている。

同社は放電加工機(EDM)をはじめ、マシニングセンタ、金属3Dプリンター、射出成形機、産業用ロボットなどを製造・販売する工作機械メーカーである。制御装置や精密部品の内製化に強みを持ち、金型や精密加工で世界的に高評価を受けている。1980年設立以来、「創造・実行・苦労・感謝」を理念に、最先端のものづくりを支えている。

Prima Additive、多彩な造形技術な金属3Dプリンターメーカー

金属3DプリンターメーカーのPrima Additiveは、Prima Industrieグループの一員として設立された。航空宇宙・自動車・船舶・医療・歯科・エネルギー・ジュエリーなど多様な産業分野で製品・技術を展開している。欧州市場を中心に、金属粉末床溶融結合(LPBF)や指向性エネルギー堆積(DED)方式など、多彩な造形技術と先進レーザー加工システムを製品化し、広範な対応力を強みとする。

日本市場拡大への鍵と業界成長を見据えた戦略的連携

日本国内では、政府による「複雑形状を持つ重要部品の国産化」推進の政策的後押しもあり、金型用途を超える需要の拡大が見込まれている。こうした中、Prima Additiveの製品群は、日本市場においても重要な戦力となり得るとソディックは見ている。

両社は、産業領域、製品構成、販売エリアの各面において補完関係にあり、高いシナジー効果を発揮する組み合わせである。特に、今後10年以上にわたり年平均24%という高成長が予測されている金属3Dプリンタ業界において、この連携は両社にとって大きな飛躍の契機となる。

研究開発力と経営の継続性を活かし、先端レーザー技術の共同開発を加速

さらに、Prima Additiveは、EUおよびイタリア国内の主要な研究・イノベーションプロジェクトに積極的に参加しており、先進的な製造システムやオートメーション技術、デジタル変革分野においても高い研究開発力を有している。

なお、子会社化後もPrima Additiveの本社はトリノに据え置かれ、経営体制についても現行のままとなる。Paolo Calefati氏が引き続きCEOを務め、ソディックの成長戦略における「先端レーザー技術の核」として中核的な役割を担っていく。

今回の子会社化によって、ソディックとPrima Additiveは、産業用途を中心とした高度なレーザーシステムの共同研究開発をより一層推進していく構えである。

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国内外の3DプリンターおよびAM(アディティブマニュファクチャリング)に関するニュースや最新事例などの情報発信を行っている日本最大級のバーティカルメディアの編集部。

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