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バインダージェット方式の金属3Dプリンターを北陸産総研に納品 ― Markforged・ニデックマシンツール

DM P2500

マークフォージド・ジャパン株式会社とニデックマシンツール株式会社(旧社名:日本電産マシンツール株式会社)が、 「北陸デジタルものづくりセンター」にMarkforgedの金属バインダージェット方式金属3Dプリンター「DM P2500」を納品したことを発表した。北陸デジタルものづくりセンターは、産業技術総合研究所によって新設された研究開発拠点である(写真は今回納品されたバインダージェット方式の金属3Dプリンター「DM P2500」)。

金属バインダージェット式の3Dプリンターとは

北陸デジタルものづくりセンターに導入された金属バインダージェット式⾦属3Dプリンター「DM P2500」は、写真レベルの高解像度で描画できるインクジェットノズルを制御し、粉末金属に接着剤であるバインダーを選択的に塗布することで自由な造形を可能にする。PBF方式と呼ばれるレーザや電子ビームを金属粉末の材料床に照射するタイプの金属3Dプリンティング技術とは異なるのがポイントだ。

複雑形状の金属パーツなどを、高精細かつ非常に滑らかな表面仕上がりで、PBF方式などに比べて10倍以上も高速に造形ができる。試作だけではなく最終部品の量産対応が期待できるということで、デジタルデータだけで、必要なものを、必要な時に、必要な場所でつくる「分散型ものづくり」を可能にする先進製造テクノロジーと位置付けられている。

試作から最終部品の量産を目指して

北陸デジタルものづくりセンターに「DM P2500 」を納入した、ニデックマシンツール株式会社は旧日本電産グループの工作機械部門で、三菱重工工作機械のAM部門を吸収するなど3Dプリンターへの取り組みを積極化させている。「DM P2500」はMarkforgedが2022年に傘下を収めたDigital Metalの金属のバインダージェット方式の3Dプリンターで、すでに海外で最終部品の量産の実績がある。

ニデックマシンツールは、3Dプリンターの販売以外に、造形サービスやアフターサービスの提供も行っていくようだ。ニデックマシンツールの二井谷春彦社長は、プレスリリースで「この度、北陸デジタルものづくりセンターに、高い造形精度と生産性を誇る金属3Dプリンタ、DM P2500を導入できたことで、これから数多くの先進的な応用技術が生まれ、日本における製造革新の起爆剤になると確信しています。」と語り、金属部品の量産への期待を語っている。

金属AMによる量産機運に注目

3Dプリンターを活用したアディティブ製造(AM)は、樹脂・金属・複合素材を積層または3次元的に付加していくことで立体物を作る技術だ。航空宇宙・防衛産業・重工業・ヘルスケア・半導体・自動車・コンシューマー製品などの産業分野において、試作を中心とした研究開発だけではなく、工場やものづくりの現場で治具開発などにも幅広く使われ始めている。

AM技術を活用することで、コストパフォーマンスの向上をはじめ、リードタイムの短縮、従来のサプライチェーンへの依存度の低減や、デジタル在庫による現物在庫の削減など、さまざまなメリットが得られる。最終部品製造の取り組み機運も高まってきた。

中小企業のR&D機能を受け持つ産業技術総合研究所や公設試験研究機関への3Dプリンターの配備が、地方の製造業がAM技術を活用するきっかけにつながるか。今後の活用状況にも期待したい。

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