Meltio社、Formnext 2024で「Meltio Engine Blue」統合キットを発表
Meltio社(スペイン)はFormnext 2024において、新製品「Meltio Engine Blue」統合キットを発表した。このシステムは、産業用ロボットアームや縦型マシニングセンタとのシームレスな統合を実現し、金属部品の3Dプリントプロセスを強化することを目的としている。「Meltio Engine V3」を基盤としながら、青色レーザー技術を採用しており、生産性、エネルギー効率、操作性の大幅な向上を実現した。会場では、海洋用ブロンズや銅、デュアルワイヤ材料を用いた部品や、ツール鋼、軟鋼、海洋用ブロンズ、ステンレス鋼を組み合わせた複雑なビルドプレートが展示され、複雑な材料加工の能力を証明した。(上部画像はMeltio社の青色レーザー技術。出典:Meltio社)
生産性と運用効率の向上
Meltio Engine Blueは従来モデルと比較して堆積速度が最大3.5倍に向上し、エネルギー消費を30%削減。さらにコンパクトで軽量な設計により、光ファイバーやコリメータといった従来の部品が不要で、設置や保守が容易となっている。航空宇宙、自動車、防衛、エネルギー、海洋、鉱業など、幅広い産業において高密度かつ耐久性のある部品を正確に製造する能力を提供している。
技術的な進化と信頼性の向上、持続可能性
内部モーターと10メートルのワイヤローラライナーを備えたデュアルワイヤ供給システムが安定した材料供給を可能にし、操作の中断を防止。さらに、T0、T1、Z軸には高品質サーボモーターを採用し、フィーダーとZ軸にはエンコーダを搭載。これにより、正確で安定した堆積が可能となった。また、溶融プールカメラによるリアルタイム監視やクイックコネクト部品の導入など、多用途な機能も強化されている。
さらにエネルギー消費を30%削減することで、運用コストの削減と持続可能性目標の達成に寄与。頻繁なレーザー調整が不要となり、メンテナンス負担が軽減され、ダウンタイムを最小化することで運用効率が向上している。
進化する青色レーザー技術と産業への波及効果
Meltio社の青色レーザー技術により、金属3Dプリントはさらなる精度と効率性を獲得。この技術の採用は、高反射性金属の加工効率を向上させる革新的な進展であり、従来の赤外線レーザーでは難しい銅やアルミニウムの加工において特に有効で産業界全体での応用可能性を広げる。
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