AuthenticsがChatGPTを利用した 3Dプリンティングデータベースの無料提供を開始
フィラデルフィアとロンドンに拠点を構える製造業向けワークフローソフトウェア企業のAuthentise社が、OpenAIのChatGPTプラットフォームを活用した3Dプリンティング知識のデータベース「3DGPT」を開発、無料提供を開始した。(画像は3DGPTのログイン画面/出典:Authentise社)
「3DGPT」は英国政府の助成金を受けて開発された
Authentise社は、英国政府のInnovateUK基金から助成金を受け、同基金の「Scalable AM Rule Creation & Dissemination(SAMRCD)」プロジェクトを通じて3DGPTを開発した。
プロジェクトはASTM Internationalや英国の溶接協会(TWI)などの研究機関や標準化団体と共同で実施された。助成金の要旨では、3DPTが、金属3Dプリントの原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでの工程全体を通して排出される温室効果ガスの排出量、カーボンフットプリントに関する知識を向上させる可能性を持つ点が強調されているという。
世界最大の国際標準化・規格設定機関ASTM Internationalは、金属3Dプリントによる部品製造メーカーを対象とした認証プログラムを開始したことでも注目を集めた。ShareLab NEWSでも詳しい内容を紹介しているので、ぜひあわせてご覧いただきたい。
「3DGPT」の特徴
3Dプリンティングデータベースである3DGPTは、OpenAIのChatGPTを構築している一般的な知識も活用されているものの、3Dプリンティング分野に関連する12,000以上の学術論文と規格を基に構築されているという。
3DGPTは「コンクリートをプリントできる積層造形技術は何か」といった一般的な質問から、「粉末床溶融でステンレス鋼を扱う際、欠陥の可能性を減らすにはどうすればよいか」といった専門的な質問まで対応可能だ。
ChatGPTの問題点として「情報が信頼できるものかどうか」といった懸念が挙がることは多い。しかし、3DGPTの場合は、専門的な質問については、参考文献を添えた回答がなされ、ユーザー自身でその信憑性を確認できる点に大きな特徴がある。3DGPTもChatGPTと同様に、単なるデータベースとしてではないユーザーの活用法に大きな発展性を秘めている。今後の動向についても注目していきたい。
ソフトウェア・テクノロジーの関連記事
今回のニュースに関連するものとして、これまでShareLab NEWSが発表してきた記事の中から3つピックアップして紹介する。ぜひあわせてご覧いただきたい。
国内外の3DプリンターおよびAM(アディティブマニュファクチャリング)に関するニュースや最新事例などの情報発信を行っている日本最大級のバーティカルメディアの編集部。