慶應義塾大学中央試験所内に3Dプリンターのオープンラボ設立 ― ホッティーポリマー
慶應義塾大学中央試験所に新たに設けられた「ホッティーポリマー3Dプリンターオープンラボ」は、製造業の革新を牽引するための技術開発拠点として設立された。シリコン造形に特化した「SILICOM」、精密なLCD光造形方式の「SmaPri Sonic 4K LL」、FDM方式の「RAISE3D Pro3 Plus」と「FUNMAT HT Enhanced」の4種類の3Dプリンターが設置され、3Dプリンターを使った新材料の試験や複雑な形状の実現を支援していくという。(上部画像はホッティーポリマーのオープンラボに設置されている3Dプリンター4機種。出典:ホッティーポリマー)
3Dプリンターの多様な造形ニーズに応える設備導入
このラボでは、3Dプリンター活用を通じたオープンイノベーションを推進し、地元企業への技術提供を通じて、地域経済の活性化にも寄与していくことを目指す。製品開発の加速やコスト削減を推進していく経験は新しいビジネスチャンスの開拓にもつながるだろう。
オープンラボ開設にあたり導入された3Dプリンターは以下の4機種となっている。
1. SILICOM
UV硬化型液体積層造形方式を採用した樹脂3Dプリンター。低硬度から高硬度まで様々な硬度のラインアップが予定されており、色調の調整も可能。積層痕の削減や造形性の向上を実現し、特許取得済みの架橋接合技術により複雑な形状の造形が可能。 ホッティーポリマーの自社ブランド3Dプリンターでもある。
2. SmaPri Sonic 4K LL
モノクロ4K LCD光造形方式を採用した樹脂3Dプリンター。高解像度出力により細部まで忠実に再現し、高速出力が可能で、主な用途としては歯科用模型製作やマウスピース、ジュエリーのロストワックス鋳造マスターモデル製作に活用されている3Dプリンターだ。
3. RAISE3D Pro3 Plus
FFF方式の樹脂3Dプリンターで、多種多様なフィラメント材料に対応している他、強度の高いカートリッジ式ホットエンドを採用し、高い信頼性を実現している。
4. FUNMAT HT
溶融フィラメント造形法(FFF方式)で、プリントスピード30〜300mm/sと高速な産業用樹脂3Dプリンター。造形庫内の温度管理機能と高温対応の吐出口であるハイテンプノズルを搭載。ノズル温度の最高は450℃ということで、耐熱性の高いスーパーエンプラ材を使った造形に対応している。
自社製3Dプリンター関連製品の販売増加につなげる
さらに同社では、このオープンラボによって3Dプリンターへの関心が高まることで、プリンター本体の販売に加え、3Dプリンターに不可欠な各種フィラメント、自社製3Dプリンター関連製品の販売増加を図る予定だということだ。
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