デジタル製造プラットフォーム「TAIGA」の提供を開始 ― 3DPC社
株式会社3D Printing Corporation社(以下「3DPC社」)は、日本のものづくりを変革するデジタル製造プラットフォーム「TAIGA」のサービス開始を発表した。具体的には、3DPC社の担当スタッフとのチャット機能や図面を共有するためのファイルアップロード機能、ライブラリ機能、3D Viewerをそなえたプロジェクト管理ができるオンラインサービスと言ってよさそうだ。当面は3DPC社の顧客とのデータのやり取りで活用されていく模様だ。(画像は3DPC社のプレスリリースよりサービスのイメージ。出典:3DPC社)
TAIGAで提供されるサービス
冒頭でも述べたように、TAIGAは3DPC社へのモノづくりの依頼を管理するプロジェクト管理プラットフォームとしてすでに稼働している。ユーザーとサプライヤーを繋ぎ、設計から納品までのプロセスを一貫してサポートするための仕組みがユーザー企業の中だけ、サプライヤーの中だけで閉じてしまうのではなく、一緒になって管理できる基盤があることで、よりスムーズな検討や情報共有が可能になる。現在、3DPC社の既存顧客によるTAIGAの使用が進んでおり、防衛や重工業などの分野で多くの復元依頼や少量生産の依頼を受けて実際に稼働しているという。
射出成形や板金、3Dプリンティングなどの技術知識を持つAIを活用し、顧客のニーズに対応した最適な設計と製造プランを提案するほか、供給元を失った部品の再生産や少量生産といった既存のサプライチェーンの課題を解決し、日本のものづくりを次世代へと導くことを目的としていく方向性のようだが、現行のサプライチェーンでは生産困難な廃番品の再生産や、小ロット生産、開発・生産に関する情報管理の効率化とコスト削減での活用が期待されるところだ。
3DPC社のサイト上では4つのステップで利用ができる旨の案内が掲載されている。仕様検討と受発注のワークフローに即したデータ管理ができるのは便利だ。
3DPC社によると、TAIGAを利用した既存顧客からは、「通常、メールで行う連絡やデータの送受信がTAIGAのプラットフォーム内で完結するので、管理が一目でわかりやすい」「詳細な製造プロセスの具体的なアドバイスをエンジニアから受け、開発から製作へと無事辿り着くことができた」などの好意的な感想が寄せられているようだ。
TAIGAの機能と将来展望
3DPC社の代表取締役デヴォア・アレキサンダー 氏は「TAIGAは、より良いサプライチェーンを構築するための重要な第一歩です。私たちはプロセス全体をデジタル化し、データに基づきながらユーザーと共に進んでいきます。数年以内には、TAIGAを利用することで入手困難な部品や廃盤部品をオンラインショッピングのように簡単に手に入れることができる未来を実現します。」とコメントしているが、設計にまで踏み込んだすり合わせが重要になる3Dプリンター活用において、こうした図面や付帯したやり取りの履歴をユーザーとサプライヤーが共有できる仕組みの重要性は今後ますます高まることだろう。
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