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旭化成社が3Dプリンター用新規樹脂材料でAquafil社と協業開始

旭化成社のプレスリリースより。

旭化成株式会社(東京都千代田区、以下、旭化成社)は、3Dプリンター向けの新規樹脂材料開発において、イタリアのAquafil S.p.A.(トレントを拠点とする企業、以下、Aquafil社)の提供するリサイクル素材「ECONYL®」の導入に向けた覚書(MOU)を締結した。この協業により、旭化成は自社のセルロースナノファイバー(CNF)を活用し、3Dプリンター用の樹脂材料として「ECONYL®」を用いた新製品の開発を計画している。特にフィラメントやペレットといった材料が想定されており、これらの製品は自動車業界や航空宇宙分野を含む幅広い産業において、環境に配慮した素材として期待されている。(上部画像は旭化成社のプレスリリースより。出典:旭化成社)

Aquafil社との協業の背景

旭化成社とAquafil社の協業は、両社の強みを活かして3Dプリンター用樹脂材料の開発を推進することを目的としている。Aquafil社は、廃棄物のリサイクルを通じて持続可能な素材を提供する企業として知られ、特にナイロンリサイクル技術に定評がある。一方、旭化成は高機能素材の分野で豊富な技術力を持ち、3Dプリンティング市場においても新たな製品開発を積極的に進めている。この協業は、リサイクル素材を活用した高機能な樹脂材料を3Dプリンター向けに提供することを目的としており、持続可能な製造プロセスの確立に貢献する。特に、環境負荷を低減しつつも高性能な製品の実現が期待される。

「ECONYL®」と「CNF」を組み合わせた3Dプリンター用樹脂材料

Aquafil社が提供する「ECONYL®」は、使用済みの漁網やカーペットを原料にした廃ポリアミドを、一度モノマーまで分解してから再度重合することで製造されたケミカルリサイクルPA6である。旭化成社はこの「ECONYL®」と、独自開発した高耐熱性セルロースナノファイバー(CNF)を組み合わせた3Dプリンター用樹脂材料を開発した。この製品は、Aquafil社およびその資本提携先である伊藤忠商事株式会社との協業により実現しており、高い造形精度と強度を両立する。今後、特に精密な造形や耐久性が求められる分野での利用が期待されている。

開発品を用いた3Dプリンター造形品
開発品を用いた3Dプリンター造形品出典:旭化成社)

2025年から展開予定

旭化成社は、天然由来のセルロースナノファイバー(CNF)とリサイクルポリアミド6「ECONYL®」を組み合わせたモノづくりを通して、市場の需要に応える持続可能な価値を提供することを目指している。2025年から、まず欧州、米国、日本において、こうしたサステナブルな製品を優先的に展開する予定である。

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