生成AIと3Dプリンターでジュエリーを製品化。特大ジュエリーも!
EncodeRing株式会社は特大のジルコニアを配したカスタマイズ設計ができるリングと、対話を通じて生成AIが利用者の好みのデザインリングを提案する取り組みを発表した。いずれの取り組みも3Dプリンターを生産プロセスで活用することで、省人化と形状の自由度の向上を図っており、ジュエリー業界での新たな可能性に挑戦する取り組みだ。(上部画像は生成AIでデザインしたリング。出典:EncodeRing社)
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3Dプリンター活用して作られた「DODEKA ENGAGE RING」
2023年10月10日に発売された「DODEKA ENGAGE RING」は、その名の通り25mmの特大ジルコニアが特徴のシルバーリングだ。これは、従来のジュエリーのサイズを超越した大胆なデザインを具現化している。
この特大ジルコニアを用いた「DODEKA ENGAGE RING」は、天然宝石の代わりに、コスト効率が良く、外観が魅力的な人造宝石を使用していることが特徴だ。ジルコニアの中でも特にキュービックジルコニアは、天然宝石に似た見た目を持ちながらも、実験室で製造される合成宝石の一種だ。
そのキュービックジルコニアで作られたリングは、そのインパクトのあるサイズとデザインにより、ギフトやプロポーズのアイテムとしても最適だ。カジュアルなファッションにも合わせやすく、SNSでの写真映えも抜群だといえるだろう。
価格は16,800円(税込)、1号から15号までのサイズ展開があり、幅広い顧客に対応。従来の製造法では難しい大きなジュエリーの製作を、3Dプリンターを活用することで実現している。
生成AI「Jewelry Planner AI」
生成AIである「Jewelry Planner AI」は、ChatGPTを基にしたAIを活用し、顧客との対話を通じてオリジナルジュエリーをデザインできる。ユーザーは、予算や素材、デザインのイメージなどの基本情報を入力するだけで、AIが独自のデザインを生成する。具体的なデザインイメージがある場合は、それを基にしたカスタマイズも可能だ。
「Jewelry Planner AI」で生成されたデザインは3Dモデル化され、3Dプリンターを用いて実際のジュエリーとして製品化される。この技術により、個々の顧客のニーズに合わせた一点ものの制作が可能になる。
3DプリンターやAI活用で業界課題の解決に挑戦
同社は今まで「音声の波形でデザイン」するオーダーメイドアクセサリーなど特色のある取り組みに挑戦してきたため、形状はすべてことなるという。1点物を大量に製作する取り組みを行っており、累計5万本を超えるジュエリーを3Dプリンターを活用することで作り出した実績を持つ。
今回の「Jewelry Planner AI」では、3Dプリンターを用いたマスカスタマイゼーションの生産ノウハウを応用することにより、デザインが異なるジュエリーの大量生産実現を目指したものだ。今現在、業界ではジュエリーデザイナーの数が少なく、オーダーメイドジュエリーの障壁は高いままである。生成AIを活用することでデザイナー不足を解決し、3Dプリンターをベースに作る効率化された量産システムをもって、誰もが一点物を手軽に作成できる世界の実現を目指すとしている。
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