日産R32 スカイラインGT-R純正パーツ、3Dプリンターで蘇る ― 日産モータースポーツ&カスタマイズ
日産モータースポーツ&カスタマイズは、根強い人気を誇るスカイラインGT-R(BNR32型)のため、一度製造を終了した純正補修部品の復刻生産を発表。ユーザーが愛車に長く乗り続けられるよう支援するNISMOヘリテージプロジェクトの一環で、車両の維持と愛好家の情熱を支援する目的を持つ。そして、過去の名車が現代でもその魅力を保ち続けることを目指している。(上部画像はNISMOパーツのニュースリリースページ。出典:日産モータースポーツ&カスタマイズ)
スカイラインGT-R
スカイライン GT-Rは、1969年に初めて登場した日産自動車のスポーティセダン及びクーペ「スカイライン」のハイパフォーマンスモデルである。1989年にはパワートレインが全面的に刷新され、いわゆる“第2世代”のスカイライン GT-R、すなわち3代目のBNR32型(基礎は8代目スカイライン)が市場に出た。その後も進化を続け、1995年のBCNR33型を経て、1999年にはBNR34型が登場。2002年にはその歴史に幕を下ろした。
復刻される主なパーツと特徴
復刻される主なパーツには、「フロントフェンダー」「デフロスターグリルキット」「ワイパーピボット補修キット」が含まれる。これらは、スカイラインGT-Rのオリジナリティを保ちつつ、最新の技術を駆使して再生産されたものである。特に、「デフロスターグリルキット」の製造においては、3Dプリンターを用いることで、純正部品と同等の品質を持つ部品を効率良く生産している。この技術の活用は、従来の製造方法では困難だった細かな部品の再生産を可能にする。
それぞれの価格
「フロントフェンダー」に関しては、製造が終了した日産純正部品を同一のサプライヤーで復刻生産し、「純正復刻品」として提供される。販売価格は、消費税込みで左右共に198,000円である。
また、「デフロスターグリルキット」は、インパネのデフロスター吹き出し口のダクトを復刻生産したもので、こちらは3Dプリンター技術を駆使して製造されている。これにより、日産純正部品と同等の品質を実現しており、価格は67,100円となっている。
「ワイパーピボット補修キット」は、摩耗や破損、劣化しやすいピボットホルダーとダストシールを新たに製造し、キットとして提供するものである。この製品は、パーツの図面を基に、ほぼ純正品と同じ状態で新規製造されたNISMOヘリテージパーツ「NISMOリプレイス品」として位置付けられており、材質や工法は日産純正部品とは異なるが、同一仕様を有している。価格は6,050円である。
今後の展望とヘリテージパーツの拡充計画
今後の展望とヘリテージパーツの拡充計画に関して、日産モータースポーツ&カスタマイズは、スカイラインGT-Rに限らず、他のモデルに対してもヘリテージパーツの提供範囲を広げる意向である。この取り組みは、クラシックカーの維持と修復を支援し、ファンや所有者が愛車を長期にわたって楽しめるようにすることを目的としている。復刻パーツのラインナップ拡充により、より多くの車種の保存と維持が期待される。
こうした旧車部品の製造は、すでに終売している部品の少量多品種販売へのテストケースでもあるだろうが、旧車部品の拡充は、世界中で人気の高まるバブル期の日本車需要を後押しする可能性もある。特にアメリカでは現在の安全基準を満たさない車両でも、25年以上前に発売された車であれば輸入を例外的に認めるという俗称「25年ルール」が存在する。一部の映画で取り上げられたことで日本のスポーツ車両に対する人気は底堅い。定価以上で取引される人気市場になっている。公式部品が存在することはマニアにとって歓迎できる取り組みだろう。
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