SPEE3D社、新型TitanSPEE3Dコールドスプレー金属3Dプリンターを発表
オーストラリアの金属3DプリンターメーカーSPEE3D社は、次世代の「TitanSPEE3Dコールドスプレー3Dプリンター」をLSAAT 2024(6月11-13日 アメリカ マサチューセッツ)で発表する予定である。独自のコールドスプレー技術を利用し、従来の金属3Dプリントに比べてコスト効率が高く、迅速に大規模な部品を製造できる点が特徴である。防衛、航空宇宙など多岐にわたる産業での活用が期待されている。(上部画像は大判金属プリンター「TitanSPEE3D」出典:SPEE3D社)
新型TitanSPEE3Dの概要
新型「TitanSPEE3D」は、SPEE3D社が開発した最新のコールドスプレー3Dプリンターだ。従来の金属3Dプリンターに比べて高速かつ高効率な製造を実現することを目的としている。「TitanSPEE3D」は、最大1,000mmx700mmの大きさと40kgの重量の部品を製造する能力を持ち、産業界での広範な応用が期待され、とくに防衛、航空宇宙、自動車などの分野での使用が見込まれており、その高い生産性とコスト効率が特に注目されている。
コールドスプレー技術の特長
コールドスプレー技術は、金属粉末を高速度で基板に吹き付けることで融合させる方法である。この技術の最大の特長は、高出力レーザーや高価なガスを使用しないため、製造コストが低く抑えられる点にある。従来の金属3Dプリントは、材料を高温で溶かす必要があるため、エネルギー消費が多く、高価な設備が必要だった。しかし、コールドスプレー技術は、材料を溶かさずに機械的に結合させるため、エネルギー効率が高く、環境負荷も低い。また、この技術は迅速な造形が可能であり、部品の製造速度が従来の方法と比べて格段に速い。これにより、短期間での部品供給が求められる産業での利用価値が高まっている。
LSAAT 2024での発表
「TitanSPEE3D」は、LSAAT 2024で正式に発表される予定である。LSAAT(Large Scale Additive Action Team)は高度な製造技術を持つ人々が、政府、学界、産業界の他の会員と教育、ネットワーク構築、コラボレーションを行うためのコミュニティ プラットフォームづくりを使命とする団体のイベントである。SPEE3D社は、このイベントで「TitanSPEE3D」の技術デモンストレーションを行い、その性能と応用可能性を実演する予定である。また、同社のCEOであるバイロン・ケネディ 氏が、製品の技術的特長や市場へのインパクトについて講演を行う予定だ。業界メディアや専門家、投資家から大きな注目を集めることが期待されており、「TitanSPEE3D」の市場投入に向けた重要なステップとなる。
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