愛知県岡崎市に本社を構える株式会社前田技研(以下、前田技研)が展開する3Dプリンターインテリアブランド「孚美(FūūBi)」は、国際的なデザイン展示会「DESIGN TOKYO 国際デザイン製品展」に出展した。この展示会は、厳選された優れたデザイン製品のみが出展を許される場であり、デザイン性そのものが審査基準の要となる。(上部画像は前田技研のプレスリリースより。出典:前田技研)
目次
「売れるデザイン」の登竜門としてのDESIGN TOKYO
「DESIGN TOKYO」は、売れるデザインの創出を目的としたイベントであり、感度の高いバイヤーやデザイナーが多数来場する。出展製品には、業界の第一線で活躍する著名デザイナーたちによる審美眼を通過したものだけが並ぶ。つまり、本展示会への出展は、製品のデザイン性が客観的に高く評価された証左でもある。
孚美(FūūBi)のデザイン哲学
「孚美(FūūBi)」のプロダクトは、3Dプリンターを活用することで実現可能となる自由度の高い造形を特徴とする。従来の製法では再現困難であった複雑な形状や曲線美、有機的なフォルムが自在に表現されており、自然界に存在する樹木をモチーフとしたデザインなどもラインアップされている。これにより、単なる家具ではなく、空間に命を吹き込むような芸術的なインテリアが創出されている。
出展品
小物入れ Couleur

植物由来の樹脂を素材として採用している。全体に柔らかな曲線を持たせたフォルムは、上品で華やかな印象を醸し出すと同時に、可憐さや繊細さも感じさせる。鍵の定位置として、あるいはアクセサリーの収納など、多目的に活用可能なアイテムである。
ペンダントライト《OCEAN-2》

本製品は、海洋プラスチック(オーシャンバウンドプラスチック)に加え、各種リサイクル素材をブレンドした樹脂を使用して製作されている。環境配慮型の素材選定により、持続可能性とデザイン性の両立を実現している。
スツール《MOTH》

間伐材を原料とした樹脂を使用しており、木材特有の自然な風合いと温かみを備える。その一方で、従来の製造方法では困難とされた曲面形状を可能にしており、有機的で独創的なデザインが際立っている。
丸形テーブル《Tachiwaki》

日本古来の文様「立涌(たてわく)」をモチーフに設計されたテーブルである。3Dプリンターによって立体的に構成された立涌文様は、平面にとどまらず三次元的な陰影を生み出し、唯一無二の表情を空間に与える。
環境への配慮と循環型ものづくり
「孚美(FūūBi)」は、美しさと環境への配慮を両立するブランドでもある。使用する素材には「アップサイクル」や「リサイクル」素材を積極的に取り入れ、製品ライフサイクル全体で環境負荷を最小限に抑えている。
さらに、同ブランドの製品は使用後に素材として再利用することが可能であり、3Dプリンターによって新たな製品へと生まれ変わらせることができる。これは、循環型社会の実現に向けたSDGsの実践的アプローチといえる。
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